志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2023年6月2日
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「当事者照会」について激しいやりとり

志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第14回口頭弁論が5月31日、富山地裁で行なわれました。
快晴の空の下、裁判所近くに集まった原告や支援者、弁護団は横断幕を掲げて裁判所まで行進しました。この日の裁判は3階1号法廷で、午後3時に始まりました。

今回原告弁護団は第30準備書面および第31準備書面を提出、石黒弁護士がパワーポイントを使って第31準備書面を要約陳述しました。
これに加え、被告らに対して「当事者照会書」を送付し、志賀原発再稼働の適合性審査を決断するに当り、再稼働をいつごろと見ていたのか、また再稼働を実現するまでにどんな費用をどのくらい見込んでいたのか、またそうした想定・見込みをいかなる根拠資料に基づいて立てたのかについて照会しました。
これに対して被告代理人は照会回答書で「今回の訴訟に関係ないので回答しない」と応えました。この当事者照会ついて法廷では、原告側の水谷弁護士と被告代理人との間で激しいやりとりが繰り広げられました。
裁判所は「回復することができない損害」についてきわめて狭く解釈しており、「重大事故が起きて会社の資産(北電の場合1.5兆円)でまかなえないくらいの損害が出た場合に限る」としていて、重大事故が起きるか否かだけが争点だという考え方です。被告らはそれに乗っかって、「争点に関係ないから照会に応じない」と言っているわけです。

一方で原告弁護団は「回復できない損害の範囲をどう判断すべきか」について、専門家・学者の意見書を次回までに提出する予定で、この意見書がきわめて重要な局面なってきました。

裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

次回の裁判は9月11日(月)、次々回は12月6日(水)いずれも午後3時から同地裁で開かれます。

2023年3月21日
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原告立証計画に裁判所が関心

志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第13回口頭弁論が3月20日、富山地裁で行なわれました。暖かい快晴の空の下、裁判所近くに集まった原告・弁護団は横断幕や原告団旗を掲げて裁判所まで行進しました。裁判は3階1号法廷で、午後3時に始まりました。

最初に、原告弁護団の坂本弁護士が今回提出した「第27準備書面―非常用注水設備の耐震重要度分類が最低ランクであること―」について、パワーポイントを使って要約陳述しました。
地震が発生した場合、原子炉に制御棒が挿入されて核分裂が止められますが、核燃料からは膨大な量の崩壊熱が発生するため水で冷さなければなりません。この役割を担うのが非常用注水設備ですが、この耐震重要度分類がCランク(一般産業施設などと同等の安全性が要求される)になっており、基準地震動を超えない地震でも破損・破壊されるものでしかないことを指摘したものです。
原告はこのほか被告(9)準備書面への反論として「第28準備書面―使用済核燃料プールの安全性」と「第29準備書面―武力攻撃・テロ対策」の計3本の書面を提出しました。
そしてこれに加え、原告としての「立証計画の概要」を提示しました。

一方被告・補助参加人らの代理人は「上申書」を提出し、「『裁判所の見解』による判断枠組に基づいて双方の主張は十分尽くされている」から「可及的早期に弁論を終結」するよう求めました。

これに対して裁判所は、被告らの上申書に言及することなく、原告立証計画の「回復することができない損害を生じるおそれ」に関する「専門家・学者の意見書」に着目し、早急に意見書を提出するよう求めました。
原告弁護団も急いで準備する方針で、会社法360条の「回復できない損害」が「会社の全資産(約1.5兆円)をもってしても償えない(原発事故以外に考えられない)ものだけなのか、それとも「原発再稼働の準備のために費やされる何千億円もの『無駄な』費用」も含まれるのか、本裁判の争点を巡って大きな転換点を迎えているようです。

裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

次回の裁判は5月31日(水)、次々回は9月11日(月)いずれも午後3時から同地裁で開かれます。

2023年2月10日
by ok
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金沢訴訟口頭弁論の報告

2月9日、第39回口頭弁論が金沢地方裁判所205号法廷で行われました。

冬晴れの空の下、原告・サポーターらは午前10時半に石川門下の白鳥路入口に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。

今回原告意見陳述を行ったのは浅村起嘉さん。
浅村さんは理科の教員をしていたころから、小松市議会議員をしていた時代、そしていしかわ教育総研事務局長をしている現在までの出来事と原子力や原発、地震との関わりを語りました。
そして昨年実施した珠洲市での環境部会フィールドワークを振り返って、「飯田港から能登半島を眺めると海岸段丘が大きく広がり、過去の大きな地殻変動によってこの地形が形成されたことがわかる。志賀原発もこの段丘面上に立地し、地下の断層も大きく見ればその一部」だと述べ、「自然は人間の想像力をはるかに超え、自然災害は想定できなかったところに起こり、人間の都合に合わせてくれない」と指摘して、岸田政権による原発政策の大転換を厳しく批判しました。

被告北陸電力は上申書を提出し、昨年10月13~14日の現地調査を踏まえた原子力規制委員会の審査会合(11月11日および12月23日)について報告しました。そして「敷地内断層の活動性評価について結論が出るまで、そんなに時間はかからないのではないかと思料する」と述べました。
これを受けて裁判長は「規制委員会の審査が進行しており、裁判所の審理方針を変更する必要はない」と表明して次回日程を決め、この日の弁論は約20分で終わりました。

口頭弁論終了後、原告・サポーターは北陸会館5階ホールで報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約30人が参加しました。
その中で北野原告団長は、GX(グリーントランスフォーメイション)実行会議で示された「原発再稼働の加速、運転期間の延長、新型炉などの新増設」の方針が近いうちに閣議決定されるのではないかと警鐘を鳴らし、富山でのGX基本方針説明会(2月22日)も法案提出に向けたアリバイづくりにさせないよう、しっかり声を上げていこうと訴えました。
富山訴訟原告団長の和田さんは「回復することができない損害」を巡る裁判長とのバトルを報告、東電刑事訴訟の原告でもある浅田さんは、1月18日の東京高裁の法廷のようすや判決の不当性を訴えました。
また「さよなら!志賀原発ネットワーク」の中垣さんは、14日に経産省主催の「北電電気料金値上げ申請に係る公聴会」(富山県民会館)が開催されることを紹介し、北陸電力が消費者の家計の危機を逆手にとって志賀原発再稼働の世論づくりに利用していることを批判しました。

次回の口頭弁論は6月1日(木)、午後2時から開かれます。