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原発からの避難計画なんて「絵に描いた餅」

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10月31日、金沢訴訟第43回口頭弁論が5ヶ月ぶりに金沢地方裁判所で行われました。
久しぶりの快晴の空の下、原告・サポーターらは午後1時半に石川門下の白鳥路利家像前に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。

今回の原告意見陳述は、国吉正人さん。
国吉さんの故郷は珠洲市大谷地区、能登半島地震の震源地からわずか7kmほどの所です。国吉さんの実家では兄夫婦や95歳の母親が被災して長期の避難生活を強いられたにもかかわらず、そこが孤立していて行くことも連絡することもできなかったこと、また地震から2日後、妻の実家の輪島市に行くのに往復14時間もかかった経験を語り、「寸断された道路で安全に避難するなんて無理」、「壊れた家で屋内退避なんて無理」であり、「原発からの避難計画なんて絵に描いた餅」だと指摘しました。そして9月21日の豪雨で、土砂と濁流が再び故郷を無惨な姿に変えてしまったと語り、「どうか能登半島を誰も立ち入ることのできない不毛の地にしないでください」、「どうか私の大事なふるさとを奪わないでください」と強く訴えました。

今回被告北陸電力側は準備書面(35)を提出し、原告側が前回提出した「能登半島地震で明らかになった耐震安全上の問題点」(第57準備書面…5/13HP参照)について「反論」しました。
裁判長は被告に「原告のもう一本の書面『避難計画の実効性欠如による人格権侵害』(第58準備書面…同HP参照)については反論しないのですか」と訊ね、被告側は「次回反論の書面を提出する」と述べました。
原告側は次回、被告側が初めて出してきた(建設当初の)敷地内断層の写真について、「なぜ今ごろ出てくるのか(有識者会合のときに出てこなかったのか)」ということを追及する予定です。

法廷では以上のやりとりの末、次回の弁論を来年2月10日(月)14時から開催することを決めてわずか24分で終りました。

口頭弁論終了後、原告・サポーターらは香林坊の県教育会館2階会議室に移って報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約50人が参加しました。

その中で北野原告団長は、今回の衆議院選挙で自公過半数割れになったものの、原発再稼働問題で言えば決して楽観できないことを指摘するとともに、11/24石川県原子力防災訓練の監視活動・住民アンケート活動や、12/14能登半島地震1周年市民集会への参加を呼びかけました。
また岩淵弁護団長は、「屋内避難は3日が限度」などと言った原子力規制委員会は、避難計画については全く見直さない、見通しがないということを示した、と述べました。また再稼働された女川原発について、能登半島地震の教訓を活かさず、逃げ場のない半島で再稼働するなんてとんでもない話だと指摘しました。

報告集会終了後、参加者は「敷地内断層は本当に動かないのか―規制委による判断の問題点―」と題して宮本研太弁護士を講師として学習会を開催しました。
宮本弁護士は有識者会合の結論が覆される経過をたどりながら、「本当にそうなのか」と疑問を投げかけ、北電の用いた「鉱物脈法」は活動を否定する決定的根拠とはならないこと、また今回の能登半島地震が敷地内断層に与えた影響についての調査が不十分だということを鋭く追求しました。

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