志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2014年1月5日
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年頭に決意をこめて

原告・サポーターのみなさん
新年あけましておめでとうございます。
201312北野原告団長なぜめでたいのか。言うまでもなく志賀原発1、2号機はじめ国内すべての原発が停止した中で新年を迎えることができたからです。
今年はこの停止状態を廃炉へ向かわせるか、再稼働の巻き返しに屈するのか、大きな分岐点に直面します。
広範な市民運動の展開、政治の場でのたたかい、そして全国各地で展開される差止訴訟が、相互にその成果を波及させながら原発回帰の流れを断ち切らなければなりません。
志賀原発を廃炉に!訴訟も提訴から1年半が経過しました。この間のみなさまの奮闘に感謝しつつ、さらなるお願いをさせていただかなければなりません。
原告・サポーターの役割は大きく3つに分けられるかと思います。
一つは、まさに訴訟の当事者としての役割です。この間、6回の口頭弁論での意見陳述、そして毎回の傍聴行動などを通じて差止を求める声を裁判所に伝えてきましたが、さらに継続・強化していかなければなりません。
二つ目は、法廷外への運動の拡大です。裁判所は「社会通念」という表現を好みます。3.11で安全神話、低コスト神話、必要神話は崩壊し、脱原発を求める国民世論が社会通念として確立しようとしています。危機感を抱く安倍政権は各地の判決前に再稼働を強行し、既成事実を積み重ねることによって脱原発の「社会通念」化を阻もうとしています。再稼働阻止のたたかい、そしてフクシマを忘れず、被害者と連帯していくたたかいに今まで以上に踏み込んでいかなければなりません。
三つ目は、弁護団の活動を支える役割です。現在、弁護団は36人の弁護士で構成され、それぞれ事故班や地震班、防災班などに分かれ精力的に訴訟に関わっていただいています。この間、私たち原告の主張を全面的に展開してきましたが、昨年末にはようやくS-1断層の調査報告もまとめられ、今後はより争点を絞り込む中で証拠の提出、証人の申請や尋問が行われていくことになります。法廷内で北陸電力の主張を論破し、差止判決へ駒を進めていくことは、早期の再稼働申請を目論む北陸電力に対する大きな圧力ともなります。弁護団の皆さんにはボランティアで訴訟に従事していただいていますが、証拠の作成や証人の尋問に向けた準備など弁護団の活動は今後さらに活発化していきます。私たちは資金面を中心にしっかりと支えていかなければなりません。
原告・サポーターのみなさまには、裁判勝利に向かって、より主体的な決意と行動で訴訟を担っていただきますようお願い申しあげ、新年にあたってのごあいさつとさせていただきます。
             北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長)


201212細野事務局長
新年あけましておめでとうございます。
人はそれぞれが二つとない在り方で存在しています。また、誰にも未来はわかりません。そして、次の瞬間何が起こるかもわかりません。だから、希望を捨て、投げやりになることもありません。今、安倍政権という巨大な権力が猛威を振るっています。しかし、この権力もいつまでも続くとは思えません。
私たちが求める脱原発社会は、未来社会からの要請です。10万年も毒性が消えない高レベル放射能廃棄物の排出を続けるのは、無責任であり、倫理的にも許されません。コスト的にも見合わないこともはっきりしてきました。
私たちは希望を失わず、「脱原発社会・日本」を目指して今年も力強く、したたかに進んでいきましょう。
              細野祐治(「志賀原発を廃炉に!訴訟」事務局長)

   志賀原発裁判を県民運動へ
201309浅田副団長みなさま、いかが新しい年を迎えられたでしょうか。私は福島県田村市(旧緊急時避難準備区域)から金沢市へ避難し、早くも3回目の正月になりました。お正月と言えば年賀状。でも未だに年賀状をしたためる気持ちにはなれません。かといって友人には近況を知らせたいし、「脱原発」を共にしてほしいと訴えたい。そこで年賀状代わりに年末挨拶状を出すようになり、今回で3年目になりました。全原発廃炉実現まで続けます。
フクシマは終わってはいません。いやむしろ、今も内部被曝・汚染水漏れ・除染の問題・遮二無二な帰還促進・子どもらの被曝・重苦しく本音の言えぬ雰囲気などなど、厳しさが深く静かに横たわっています。フクシマを再び起こしてはなりません。志賀原発でフクシマと同じことが起こり、「シカ」となったら?身の毛がよだちます。輪島・珠洲の方々は何処へ逃げますか。北西の強風が吹き荒れる猛吹雪の中、金沢・北陸の人は何処へ逃げられますか。当然香箱ガニは食べられませんし、兼六園も「死の庭園」になりかねません。
仮に世界最高水準の安全な原発を実現できたとしても、事故が起こったら?いうまでもないことです。昨年の参議院選で福島の候補者(避難者)が「今は福島のこと、次はあなたの町のこと」と訴えていました。フクシマは遠い所のこと、過ぎ去ったことではありません。志賀原発廃炉を石川県民運動、北陸ブロック運動へ高め広めていきましょう。それには裁判のサポーターをまず増やしましょう。
          浅田正文(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団副団長)

2013年12月21日
by ok
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北電が最終報告書を提出

北陸電力は、志賀原発の断層問題に関する最終報告を19日、原子力規制委員会に提出しました。
原発直下のS-1断層が活断層ではなく、周辺断層との関連もないという「結論」は予想されたとおりでしたが、今回初めて原発から約1.4km東にある福浦断層について、「将来の活動の可能性を否定できない」としています。
今後規制委員会が現地調査し、報告書の妥当性を判断することになります。
北陸中日新聞 12/20-1


北陸中日新聞 12/20

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北陸中日新聞 12/20-2

2013年12月3日
by ok
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第7回口頭弁論が開かれました

12月2日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第7回口頭弁論が金沢地方裁判所で開かれました。201212口頭弁論1

この日は午後1時30分過ぎに開廷され、最初に、福島から来沢した加畑、頼金両弁護士が原告弁護団の一員として陳述しました。両弁護士は3.11福島第一原発事故が発生したとき、法テラス福島事務所で一緒に働いていました。両氏は原発防災という観点から、「震災直後の福島県の状況について」と題して、原発約60km圏の福島市で自ら体験したことをリアルに語ってくれました。201212加畑弁護士
これまでに経験したこともない揺れがおさまるとすぐ、国道4号線がクルマで埋まってマヒ状態になりました。高速道路も電車も止まり、福島駅には帰宅できない人がごった返している。やがてガソリンが枯渇し、福島市は陸の孤島になりました。そしてこの時点で、スーパーやコンビニの食料や水がなくなります。そこに原発事故が起り、空間線量がどんどん上がっていく。毎時24マイクロシーベルト、通常の500倍の値に達し、水や食糧を確保しなければならないのに外に出歩けない、という状況になります。どのくらい被曝すれば死ぬのか、どのくらいで症状が出るのか、そんな知識もなく、行政の指示もない中で、避難するかどうかの決断を迫られる切羽詰まった事態になりました。201212頼金弁護士
頼金弁護士は、「原発に生活を奪われるとはそうしたもので、今まで当たり前にあった日常の一部が急に欠けて、30年も40年も戻ってこないという話になってしまう。日本中の誰にもそういう思いを繰り返してほしくない」と述べました。

続いて東弁護士と松本弁護士が第15準備書面「原発防災の問題」を要約陳述しました。その中で両弁護士は、防災の欠陥は原発そのものの危険性であると指摘し、現在我が国において想定されている防災対策には多くの重大な欠陥があると述べました。
現実には、住民の少なからぬ放射線被曝を前提とした防災対策しかできていない上に、有事の際に情報収集もできず、住民の避難が大幅に遅れる懸念が多々あります。また複合災害に対する備えも全くできていません。志賀原発で過酷事故が発生した場合、避難が必要となる住民は15万人以上とされています。能登地区12万人余の脱出には「のと里山海道」しかありませんが、同道路は2007年の能登半島地震(M6.9)で10箇所以上の大規模崩壊が発生して寸断されました。
また志賀原発30km圏内にある病院の数は福島とほぼ同数、患者数は2.5倍になります。この人たちの受け入れ体制は何ら規定されておらず、各医療機関に委ねられている状況です。これでは、福島で亡くなった患者の数倍の犠牲が出る可能性があります。自宅療養の方、要介護者、独居老人などの避難に至っては、全く具体策がとられていません。
両弁護士は、こうした多くの欠陥を補って、周辺住民の迅速な避難・身の安全を保障する防災対策をとることは現実的に不可能であることを明らかにし、原発災害は被告が原子力を利用するからこそ発生する「人災」であり、人びとの生命身体を守る手段は原発の稼働を止める以外にないと訴えました。

ところで、今回も被告側からの「反論」が第5準備書面として提出されました。内容は廃棄物処理に関するもので、原告の第7準備書面への「反論」となっています。今の国の計画は、再処理されたガラス固化体を地中深くに埋めて保存管理するというものです。被告北電の主張は第一に、ガラス固化体は再処理の過程で発生するもので、志賀原発の敷地内で発生するものではない(だから自分たちには関係ない?)、第二に、その処理は国によって安全だということが確認されている、という内容で、私たち原告側の議論とは全く噛み合いません。

その後、傍聴者が退廷した非公開の場で、今後の訴訟手続に関するやりとりが行われました。原告弁護団は早く主張を尽くして立証の段階に入りたい旨表明しました。被告側代理人に対して裁判所はいくつかの論点を示して、「いつごろ反論が可能ですか」と問い質したものの、事実上無回答。「北電が12月に予定している、S1断層についての報告書が出た後で反論を準備する」と述べるにとどまりました。

口頭弁論終了後、兼六園下の北陸会館で報告集会が開催され、原告・サポーター、マスコミ関係者など50余人が参加しました。

第8回口頭弁論は来年の2月24日(月)午後1時半から、同地裁で開かれる予定です。
北陸中日新聞 12/3

12月3日付北陸中日新聞(左)と朝日新聞(下)

※クリックすると拡大します朝日新聞 12/3