志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2022年7月16日
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金沢訴訟口頭弁論の報告

7月15日、第37回口頭弁論が金沢地方裁判所205号法廷で行われました。

午前中の雨も上がって強い陽射しが照りつける中、原告・サポーターらは午後2時に石川門下白鳥路入口に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。
今回はコロナ禍による傍聴制限が解除されて全73席が先着順となり、県外も含め多くの原告・サポーター、支援者らが傍聴しました。

今回原告意見陳述を行ったのは森 一敏(前金沢市議)さん。
森さんは2006年、金沢地裁で志賀2号機の差止め判決に傍聴人として立ち会っています。そのときの光景を鮮明に思い出しながら、「その後逆転されはしたものの、あの判決が切り拓いた地平はドイツ倫理委員会に連なり、福井地裁判決へと流れ込み、今日、水戸地裁判決、札幌地裁判決へと脈々と受け継がれている」と指摘しました。
そして最後に裁判長としっかり目を合せ、「本裁判は2012年の提訴以来すでに10年、あまりにも長すぎます。能登を震源とする強い地震が頻発する中、今こそ司法の独立性にかけて、一日も早い結審と廃炉を命じる判決を出してください」と強く訴えました。

被告北陸電力は7月8日に提出した「上申書」で、5月20日に行なわれた原子力規制委員会の審査会合の状況などについて述べました。敷地内断層がいずれも後期更新世以降活動していない(活断層ではない)とする北電の説明に対して、規制委が敷地内および近傍の断層について再度現地調査を実施する方針を示したことが報告されました。

これを受けて裁判長は「規制委員会の判断を待つ」という審理方針は変更しない旨あらためて表明しました。
ここで原告の岩淵弁護団長は発言を求め、6月30日泊原発の差止めを命じた札幌地裁判決に触れて「あの判決は規制委の判断が出る前に差止めた。規制委の審査に拘わらず、人格権の侵害があるかどうかは裁判所が独自に判断すればいい、ということを示した」と指摘しました。しかし裁判長は次回日程を決め、この日の弁論は約20分で終わりました。

口頭弁論終了後、北陸会館5階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など約40人が参加しました。
集会の中で北野原告団長は、電力不足を利用しながら「原発9機を再稼働させる」とする岸田総理を批判しつつ、防災計画や安全協定について志賀町や七尾市と自治体交渉を進めていることを明らかにし、その問題を抜きにして再稼働はあり得ないことを訴えました。
また岩淵弁護団長は最近の三つの判決の共通点を指摘しながら、「規制委の審査基準を無視したところに大きな特徴がある」ことを明らかにし、「是非とも私たちの裁判に活かしていきたい」と述べました。
また東京電力株主代表訴訟の原告でもある浅田正文(原告副団長)さんは、当日の法廷のリアルな描写を交えながら、東京地裁判決の意義を強調しました。

次回の口頭弁論は10月24日(月)、午後2時から開かれます。

2022年6月16日
by ok
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裁判長が求釈明に対する「見解」を示す

志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第10回口頭弁論が6月15日、富山地裁で行なわれました。今回は久しぶりに傍聴制限が解除され、私たち原告・サポーターは抽選を経ず先着順に入場しました。それでも弁護団を含めて全35席が一杯となる中、午後3時に開廷されました。

今回は裁判官の交代による弁論の更新で、まず原告団副団長の川原登喜のさん(入善町)が2回目の意見陳述を行ないました。
川原さんは今年1月福島県の小児甲状腺がん患者6人が東京電力に損害賠償を求めて提訴した訴訟を取り上げ、福島県では266人が甲状腺がんと診断され、うち222人が摘出などの手術を受けている事実を指摘して「『過剰診断』などと福島原発事故の影響を否定することは許されない」と訴えました。さらに避難計画の不備や軍事攻撃に対するリスクなども指摘し、「『志賀原発に経済合理性は全くない』(大島龍谷大教授意見書)のに、私たちや子どもたちの命を脅かして作られる電気はいりません」と述べて陳述を締めくくりました。

続いて原告弁護団の坂本弁護士が今回提出した第22準備書面について、パワーポイントを使って要約陳述をおこないました。この書面は、富山訴訟の訴えの根拠となる会社法360条に定める取締役の善管注意義務について、その内容、特定の程度、証拠提出に関する被告らの協力義務に関する理論面を補強し、裁判所に対して被告への釈明を促すための書面です。
坂本さんは「取締役が経営上の意思決定をするにあたり、『前提となる事実の認識』に不注意があるなら、(会社法360条にある)善管注意義務の違反が認められる」と指摘し、この「不注意」の存在は「事実に基づく意思決定」の当否いかんとは別個に、これに先立って独自に判断できる事項であることを明らかにしました。そして要は「合理的な情報収集・調査・検討が行なわれたか否か」であるとし、「前提となる事実の認識」について被告らに不注意がなかったかどうかを判断するためにこそ、取締会の議事録を法廷に提出することが必要だとあらためて主張しました。

一方、被告ら及び補助参加人(北陸電力)の弁護団からは準備書面(8)が提出されており、前回口頭弁論で原告が提出した第21準備書面―新規制基準の不合理性―」に対する反論が展開されています。加えて、第22準備書面に対しても「新規制基準の内容やその妥当性などについては取締役に検討義務はない」などと反論を展開しました。

以上を踏まえて裁判長は、最大の争点となっている原告の被告に対する求釈明について、裁判所としての見解を明らかにしました。
被告に対しては、原告が第9準備書面で求めた「使用済み核燃料プールの危険性」に関してのみ釈明を求めましたが、この他の求釈明については認めず、争点を厳しく絞り原告に重い立証責任を負わせる独自の見解を表明しました。会社法360条の「善管注意義務違反によって会社に回復できない損害が生じるおそれ」とは「会社が全資産をもってしても補塡できない程度の損害」だとしました。これでは志賀原発が重大事故を起した場合に限られてしまいます。裁判所が勝手に判断のモノサシを狭めてしまっていると言わざるを得ません。
その直後、原告弁護団は15分間の休廷を求めて対応を協議しました。そして、準備書面(8)に対する反論と、裁判所の判断枠組みそのものが間違っているということを次回期日で主張していく旨を伝えました。

その後原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

2022年4月29日
by ok
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金沢訴訟口頭弁論の報告

4月28日、第36回口頭弁論が金沢地方裁判所205号法廷で行われました。

快晴の空の下、原告・サポーターらは午後1時に石川門下白鳥路入口に集まり、司法の責任を果すよう求める横断幕を掲げて裁判所まで行進しました。
今回も傍聴席は全36席。希望者の先着順となり、法廷前の廊下に行列ができました。

今回原告意見陳述を行ったのは全国一般石川地方本部の種井一平さん。
種井さんは今年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震による福島第一原発の使用済み核燃料プールの冷却停止、そしてロシアのウクライナ侵攻の中で起こった原発への武力攻撃などタイムリーな話題から原発の本質的な危険性を指摘しました。そして「福島原発事故までに一体いくつの事故があったのか、どれほどの隠蔽や事実の歪曲や改ざんが行なわれ、どれだけの地域社会が分断と対立に追いやられ、どれだけの原発労働者が被曝(ひばく)に苦しんできたのか」と述べ、福島第一原発事故を本当に最後にしなければいけないと訴えました。

被告北陸電力は4月21日に提出した「上申書」で、1月14日に行なわれた原子力規制委員会の審査会合の状況や審査会合に向けたヒアリング(2/7、3/14、4/13)について報告しました。次回審査会合の日程は未定だということです。
これを受けて裁判長は規制委員会の判断を待つという審理方針は変更しない旨表明して次回日程を決め、今回もわずか18分で終わりました。

口頭弁論終了後、北陸会館5階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など約40人が参加しました。
集会の中で北野原告団長は、ロシアの化石燃料からの脱却の動きと絡めて原発の再稼働を目論み、審査の迅速化を狙う政府の方針に警鐘を鳴らしました。また原子力防災・避難計画や安全協定の問題にしっかり声を上げ、近隣住民と一緒に再稼働の動きを阻止していかなければならないと訴えました。
富山訴訟の和田原告団長からは富山地裁での「熱い攻防」が紹介され、裁判所が次回口頭弁論(6月15日)で「今後の審理の方針について裁判所の見解を示す」と述べており、その対応に注目すべきだと強調しました。
また「北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会」の中垣代表からは、6月28日の北電株主総会に向けた準備状況の報告があり、北電の株価が落ち込んでいるこの時期、原告やサポーターに対して新たな株主になってくれるよう求めました。

次回の口頭弁論は7月15日(金)、午後3時から開かれます。