志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2021年9月30日
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「株主への説明責任果たさぬ経営陣」が鮮明に

志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第7回口頭弁論が9月29日、富山地裁で行なわれました。今回も新型コロナ感染防止のため、傍聴席は一席ずつ間隔を空けての17席(マスコミ席を除く)に制限されました。


裁判は午後3時に開廷され、まずは和田美智子さんの原告意見陳述です。NPOの一員として富山市郊外で農作業に取り組み、夏には福島の子どもたちの保養を受け入れている和田さんは、チェルノブイリ原発事故をきっかけに「原発いらない」と声を上げて行動を始めたこと、能登原発防災研究会で原発の学習を重ねてきたことなど自身の活動を語り、さらに福島原発事故への反省がなく、株主への説明責任も果たさない北電取締役の姿勢を厳しく批判しました。最後に、豊かな自然の恵みを奪い、人権を侵害していくのが原発だと指摘し、一日も早く志賀原発の運転差止めにつながる判決を出すよう求めました。

続いて原告弁護団長の岩淵弁護士が、今回提出した第13準備書面「関電・中電との契約の終了」について、要約陳述をおこないました。志賀2号機は、建設前の1996年に関西電力・中部電力と交わされた契約によって、最大出力135.8万Kwの約半分(60万Kw)を関電・中電に供給し、受電料金に加えて保守管理のコストの一部を負担してもらう「共同開発」の形態となっていました。この契約が今年3月で終了していたにもかかわらず、そしてそのことを今年の株主総会で株主から質問されたにもかかわらず、北電経営陣は一切答えることはありませんでした。それが明らかにされたのは関電の株主総会でした。
中電・関電の年間支払額は270億円程度と推定され、北電の経営(2020年経常利益は123億円)に重大な影響を及ぼすことは容易に想像できます。北電取締役らは株主総会で決められた事項を遂行することが取締役の義務と述べていますが、株主の利益にかかわる重大な事項についてなんら説明せず議決していることが明らかとなりました。また今回の件は、当初から過剰設備と指摘されていた2号機がやはり不要だということをあらためて明らかにするものです。岩淵弁護士は、株主への説明責任を果たさず、株主総会を形骸化させている被告取締役らを厳しく批判し、関電・中電との契約の実態や、株主総会で説明しなかった理由など5項目について釈明を求めました。
これについて裁判長は、次回口頭弁論で釈明の要否も含め回答するよう被告に求めました。

原稿弁護団はこのほか、前回裁判長から求められた志賀原発の重大事故の機序(メカニズム)について、第14準備書面「重大事故発生の機序・総論」、第15準備書面「基準地震動を超える地震に襲われる危険性」、第16準備書面「敷地内断層の危険性」、第17準備書面「避難計画について審理する必要性」の各書面を提出しました。
一方、被告と補助参加人の北電からは準備書面(6)が提出され、原告が第12準備で求めた求釈明について「いずれも回答の必要性が認められない」と回答拒否の方針を明確にしました。「株主総会の議決を踏まえて業務を執行しており、なんら善管注意義務違反にはあたらない」と従来の主張を繰り返しました。

最後に次々回の期日を決め、約40分間で今回の口頭弁論は終わりました。

その後、会場を富山県弁護士会館に移し、報告集会を行ないました。
和田廣治原告団長は「原告の求釈明に応えない、株主総会でも株主に対して説明責任を果たさない北電経営陣の姿勢が鮮明になった」と厳しく批判し、参加者へ今後の裁判への一層の支援を訴えました。
意見陳述をおこなった和田美智子さんからは、日々の農作業にいそしむ暮らしの中からの思いを述べたこと、これまでのさまざまな記憶が甦(よみがえ)ってきたことなどが語られました。
岩淵弁護団長、坂本弁護団事務局長からは今回の口頭弁論の内容、とくに新たに提出した準備書面の内容について詳しく、わかりやすく解説されました。そして、次回口頭弁論では裁判所から何らかの方針が示されるだろうとの見通しが示されました。

今後の予定
第8回口頭弁論 ’21年12月13日(月)15:00~
第9回口頭弁論 '22年3月16日(水)15:00~

2021年9月14日
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金沢訴訟口頭弁論の報告

9月13日(月)、第34回口頭弁論が金沢地方裁判所205号法廷で行われました。

秋晴れの空の下、原告・サポーターらは午後1時に石川門下に集まり、早期結審を訴える横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。
コロナ感染対策のために減らされた傍聴席は全37席。今回も先着順となり、法廷前の廊下に長い行列ができました。

今回原告意見陳述を行ったのは冬爪よしえさん。
冬爪さんは3.11福島原発事故の衝撃的な映像を見て「何の迷いもなく」原告団に加わりました。しかし、10年経った今、この裁判が未だ続いているなんてあり得ない、自分がここで話をしているのが不思議でならない、と率直な思いを語りました。
25年間教師をしてきた冬爪さんは、陳述の中である新聞の投稿を取り上げました。
投稿者は50年前小学校で福島第一原発を見学したとき、担任の先生から「原発は絶対安全」と聞かされました。福島原発事故後、その先生は「何という間違いを教えたのか」と後悔し、そのときの生徒である60代の投稿者を探し出して謝った、という話です。
冬爪さんは保健体育の授業で「先生、地震で原発事故が起きたら、どしたらいいが」という生徒にちゃんと答えられなかった経験を語り、「私自身、たくさんの過ちを犯してきたかも知れない」と教師としての過去を振り返りました。
冬爪さんは最後に、「50年先、100年先を生きる子どもたちに負の遺産を残しては絶対にいけない」と述べ、志賀原発の即時廃炉と一刻も早い結審を訴えました。

次に北陸電力が9月6日提出の「上申書」に基づいて、適合性審査の状況について報告しました。
それによると、8月2日および9月8日に審査会合に向けたヒアリングがあり、今後敷地近傍の(半径5km以内で、いずれも最近北電が活断層だと認めた)福浦断層・碁盤縞沖断層・兜岩沖断層について審査が行なわれる予定だということです。
原告側弁護団は、敷地近傍の断層の審査も始まっておらず、その他の断層、とくに敷地内断層の審査についてはその予定すら立っていない。これ以上審理を引き延ばすべきではないとして、従来どおり早期結審を求めました。

これに対して裁判長は、昨年7月に示した審理方針を変更する必要性は今のところ認められないとして、次回日程を決定、この日の裁判はわずか21分で終わりました。

口頭弁論終了後、北陸会館5階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など40余人が参加しました。

次回口頭弁論は12月23日(木)、午後3時15分から開かれます。

2021年7月15日
by ok
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富山訴訟口頭弁論が行なわれました

志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第6回口頭弁論が7月14日、富山地裁で行われました。
今回も新型コロナ感染防止のため、傍聴席は一席ずつ間隔を空けて17席(マスコミ席を除く)に制限されました。

15時開廷。3月末で転出した和久田道雄裁判長に代わり、新たに着任した松井洋裁判長による初めての口頭弁論です。
最初に、原告清水哲男さんによる意見陳述がおこなわれました。富山県職員OBの清水さんは北陸電力社員だったお父さんが保有していた従業員持株を相続して株主となり、2013年から株主総会に出席してきました。総会では従業員の労働条件や労働災害、原発作業員の労働環境などを重点的に取り上げ、利益優先でコンプライアンス意識が欠如している北電の企業体質を明らかにしてきました。さらに富山県が同社の大株主であることを指摘し、富山県民の多額の税金が投入されている北電は「公共の福祉を重視した事業運営」を図るべきであり原発事業はそれに逆行している、と厳しく批判しました。

続いて裁判官が交代したことによる弁論の更新手続きに入りました。
まず原告の岩淵弁護団長が、福島第一原発事故から10年が経過しあらためて事故の惨状が明らかになっており、安全、安い、必要という3つの原発神話が崩壊したことを指摘しました。その上で、本訴訟は安全性だけでなく、コストや必要性も争点とする訴訟であることに留意するよう求めました。中田・小島弁護士からは、第9準備書面(2020年12月提出)で原告が求めた志賀原発のコストや志賀再稼働の経済合理性などについて被告がまったく回答していないと指摘し、裁判所の訴訟指揮を求めました。
これに対して被告・補助参加人(北電)代理人からは、「弁論更新にあたっての意見書」が陳述され、原告の訴えは会社法360条に基づく株主差止訴訟の要件を満たしていないとして、あらためて請求を棄却するよう求めました。さらに「本件訴訟は原告が自らの主義主張を取締役に押しつけるものだ」などと付け加えましたが、これに対しては原告弁護団が直ちに反論を展開しました。

続いて坂本弁護士がパワーポイントを使って新たに提出した第12準備書面について要約陳述をおこないました。被告らは、原告の第9準備書面による求釈明に対して、原発の危険性に関する箇所についてのみ裁判所からの求めに応じて回答(準備書面〈5〉)しました。しかし、その内容は原告の求釈明の趣旨を曲解し、あるいは回答をはぐらかすなど、正面から応えるものではありませんでした。本準備書面は被告らの不誠実な回答を具体的に指摘し、改めて回答を求めたものです。
被告らはすでに反論は尽くしているとして回答を拒否しましたが、新裁判長は善管注意義務の判断時期について被告に反論があれば検討するよう求めました。
一方、原告側に対しては、志賀原発の重大事故発生について、原告が考える機序(発生のメカニズム)および具体的事実を基にした主張をしてほしいと求めました。

閉廷後、原告・サポーターらは富山県弁護士会館に会場を移し、報告集会を行ないました。
冒頭のあいさつで、和田廣治原告団長は北電が富来川南岸断層を活断層と認めた5月24日の原子力規制委員会の審査会合に言及し、志賀原発は敷地内断層の問題が決着していないことに加え、三方を活断層で囲まれた危険な原発だということが明らかになったと指摘し、訴訟への一層の支援を求めました。
岩淵弁護団長は、北電の経営に重大な影響を及ぼす事故のリスクについて新裁判長も関心を寄せており、もう少し掘り下げるという視点で議論し始めたことを評価したいと述べました。また坂本弁護士は本日の弁論内容を解説する中で、規制委の適合性審査を経るから安全だとする北電の立場に裁判所は立っていない、と指摘しました。
会場からは、被告が北電の「社会的責任」に関して、求釈明に応じる必要は認められないと述べたことに対する抗議の声や、第12準備書面で求めた求釈明に対する裁判長の対応を問う質問などがありました。
最後に、川原登喜の原告副団長が先般の株主総会での石黒副社長の発言「志賀原発を世界最高峰の水準の安全にする」に触れ、「最高水準の安全は志賀原発の廃炉でこそ実現される」と訴えて報告集会を締めくくりました。


今後の予定は以下のとおりです。
第7回口頭弁論 9月29日(水)15:00~
第8回口頭弁論 12月13日(月)15:00~