志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2024年5月14日
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避難計画の破綻は明らか

5月13日、金沢訴訟第42回口頭弁論が5ヶ月ぶりに金沢地方裁判所で行われました。
雨上がりの空の下、原告・サポーターらは午後2時半に石川門下の白鳥路利家像前に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。

元日の能登半島地震後初めての口頭弁論では、最初に北野原告団長が意見陳述を行ないました。
北野さんは自ら撮影した地震前後の写真を法廷で映写し、かつての「珠洲原発予定地」の変わりようを示しました。寺家では1m近い隆起が確認でき、炉心予定地の浅瀬は岩場になっています。北野さんは「珠洲に原発がなくてよかった」という声が、かつて原発を誘致した住民からも、市外・全国からも届いていることを紹介し、北陸電力に「ここは絶対に建てては行けない場所だった」、「珠洲原発の計画自体誤りだった」と認めるべきだ、と迫りました。
1993年志賀原発が営業運転を開始したとき、原発周囲にも能登半島周辺にも大きな活断層はありませんでした。しかし、今や志賀原発周辺は大きな活断層だらけです。北野さんは「次なる大地震に果たして耐えられるのか」と問い、能登半島地震の「教訓」を、①地震学の限界、②原子力防災計画と避難計画の破綻、だと指摘しました。
そして裁判所に対して、「能登半島地震を目の当たりにしても、まだ原子力規制委員会に追従するのか」と厳しく問いただしました。

原告側は続いて宮本弁護士が第57準備書面「能登半島地震で明らかになった耐震安全上の問題点」を、北島弁護士が第58準備書面「避難計画の実効性欠如による人格権侵害」についてそれぞれ要約陳述しました。
最後に岩淵弁護団長が意見陳述し、科学の不確実性についてあらためて言及した上で、地震学は発展途上で原発の安全性に寄与するまでには至っていないと指摘、裁判所に規制委の判断に寄りかかることのない審理を求めました。そして、今回の能登半島地震で避難計画がいかに実効性のないものか誰の目にも明らかになったと述べ、原発の運転が許されないことは明白だと主張しました。

口頭弁論終了後、原告・サポーターらは金沢弁護士会館2階ホールで報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約50人が参加しました。

次回の口頭弁論は10月31日(木)、午後2時から開かれることになりました。

 

左朝日新聞(5/14)、右北陸中日新聞(同)
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2024年3月5日
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避難は不可能―廃炉しかない

志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第17回口頭弁論が3月4日、富山地裁で行なわれました。朝からの雨は上がったものの冷たい風が吹く中、裁判所近くに集まった原告や支援者、弁護団は横断幕やのぼり旗を掲げて裁判所まで行進しました。

最初に、富山訴訟原告団長の和田廣治さんが意見陳述しました。和田さんは1月1日に発生した能登半島地震で4mもの隆起を伴う大規模な地殻変動が起こり、家屋の倒壊、道路や崖の損壊が半島全域で発生し、多数の住民が長期間にわたって孤立状態におかれたことを振り返りました。もし志賀原発が運転中だったら大事故が発生し、住民は避難することも自宅に留まることもできず、深刻な被曝が避けられなかったところです。
和田さんは北陸電力松田社長が1月31日、志賀原発再稼働方針の継続を表明したことに触れ、今回の地震の全体像も未確定、周辺断層への影響も未調査のまま、しかも住民避難が不可能な現実が明らかになったのに言語道断だと述べ、裁判所にこんな経営陣の歪みを正すためにも、志賀原発の運転差止めにつながる判決を求めました。

今回原告は4本の準備書面と被告意見書に対する反論書を提出しました。法廷では第35準備書面(能登半島地震と志賀原発の危険性)を鹿島弁護士が、第36準備書面(能登半島地震の被害状況と避難計画の不備)を北島弁護士がパワーポイントを使って要約陳述しました。
北陸電力は能登半島の断層の連動を90km余りしか想定しておらず、原子力規制委員会もそれを追認していましたが、能登半島地震では150kmもの断層が連動しました。5km以上離れた断層は連動しないという地震学の常識=「5kmルール」も今回は通用しませんでした。鹿島弁護士は今回連動した断層の北東と南西の断層にに大きなヒズミが溜まっており、今回の地震に続き、さらに大きな「本震」が来る可能性があることも指摘しました。
また北島弁護士は今回の地震で志賀町だけでも6千軒以上の住宅被害があったことや、多くの孤立集落の発生があったことを踏まえ、今回の地震と同様なことを想定した訓練などやりようがないと述べて、原発をやめるしかないことを訴えました。

今後の進行について原告弁護団は、地震についてのより詳しい情報を踏まえ、地震の規模やメカニズムについて補充の主張を準備していることを伝えました。裁判所はそれを5月22日を目処に提出するよう求め、原告側もこれを了承しました。

裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

次回の裁判は2024年6月5日(水)、次々回は9月30日(月)、いずれも午後3時から同地裁で開かれます。

2023年12月19日
by ok
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北電が3/3審査会合について書面提出

12月18日、第41回口頭弁論が半年ぶりに金沢地方裁判所で行われました。
時折雪交じりの冷たい雨が降る中、原告・サポーターらは午後2時半に石川門下の白鳥路利家像前に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。

今回原告意見陳述を行ったのは、社民党石川県連副代表で内灘町議の清水 文雄さん。
清水さんは毎年石川県原子力防災訓練の監視活動を続けてきた経験から、今年の訓練も「事故の影響を過小評価し、最悪の事態・不都合な事態を避けるシナリオが繰り返された」と批判し、「このような訓練では、住民の命と生活を守る事はできない。最高の防護対策は志賀原発運転を中止して廃炉にすることだ」と指摘しました。そして、政府や業界に忖度することなく、司法の独立性を発揮して運転差止めの判決を下すよう裁判所に求めました。

今回被告代理人は、準備書面(34)とそれに関わる証拠説明書を提出しました。今年3月3日、原子力規制委員会の審査会合において「志賀原発の敷地内断層はいずれも将来活動する可能性のある断層には該当しない」と判断されたことについて、その判断に至った審議過程を含めてこれまでの主張を補充する総括的な主張を展開しました。

裁判長の「法廷で何か主張することはありませんか」との問いに、被告側は「書面で提出した通り」と述べ、とくに弁論は行ないませんました。
裁判長は原告にこれに対する反論を求め、原告側は来年4月中に反論の準備書面を提出することを表明しました。

口頭弁論終了後、原告・サポーターらは金沢弁護士会館2階ホールで報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約40人が参加しました。

その中で北野原告団長は、北陸電力が規制委から、福浦断層と兜岩沖断層がいずれも志賀原発から5km以内にあって連動する可能性を検討するよう求められていることを指摘し、敷地内断層は本当に大丈夫なのか、私たちの素朴な疑問を大切にすべきだと訴えました。
また岩淵弁護団長は、仙台高裁が女川原発の避難計画の実効性について審理する方針を示したことに触れ、「次回から敷地内断層についても反論していくが、原発訴訟について議論すべき争点は山ほどある」と指摘し、ともにたたかっていく決意を表明しました。
その後、富山訴訟の和田原告団長から富山地裁での激しい応酬が紹介され、また9月に1都5県の151人が福島地裁に提訴した「汚染水海洋放出差止め訴訟」について、原告の一人である浅田正文さんがパワーポイントを使って提訴の意義や経過を詳しく説明しました。








次回の口頭弁論は来年5月13日(月)、午後3時から開かれます。