志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2018年5月27日
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原告団総会を開催しました

5月26日(土)午前9時、原告・サポーター、市民ら約100人(講演だけの参加を含む)が石川県地場産業振興センターに集まり、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団の2018年度総会が開催されました。

最初に、北野原告団長があいさつしました。
北野さんは3月の第26回口頭弁論を振り返り、従来の裁判方針を180度転換し、規制委員会追従で司法の責任を放棄した加島裁判長を糾弾し、弁護団が裁判官全員の忌避を申し立てたのは当然のことだと述べました。そして、司法で再稼働阻止、廃炉を求めていく私たちの運動の根幹が問われているとして、原告団の新しい活動方針を確立するために、本総会での活発な議論を呼びかけました。
つぎに、来賓として岩淵弁護団長があいさつしました。
岩淵さんは安倍政権が策定しようとしている第5次エネルギー基本計画で、原発の数値目標が22~24%になっていることについて、世界の情勢とまったく逆転している、と指摘しました。そして、裁判所が規制委員会の判断の前に判決を出すことを避ける動きが出てきていることに警鐘を鳴らし、今回の志賀訴訟の裁定は結論が先延ばしされただけで、敷地内断層が活断層だという結論は変わらない、と述べました。
この後、来賓として石川県平和運動センター赤玉共同代表が共にたたかう決意を語り、「福井から原発を止める裁判の会」からの連帯のメッセージが紹介されました。

議案審議では、堂下事務局長が1年間の活動報告を、岡崎会計担当が決算報告を行いました。
2017年度は4回の口頭弁論が開催され、うち3回で原告が意見陳述しました。提訴して6年が経過しましたが、原告・サポーターからの会費・カンパで財政的にしっかりと支えられていることは大きな励みです。名古屋高裁金沢支部で控訴審が審理されている大飯原発原告団との連帯行動にも多くの原告が参加しました。2月に「さよなら!志賀原発ネットワーク」と共催した映画とトーク『日本と原発 4年後』が好評で、財政面でも貢献したことが報告されました。
2017年度はサポーターが2,247人とほぼ前年並みでしたが、個人サポーターが457人と提訴以来最多となりました。支出の節減により約20万円を次年度に繰り越したこと、結審の時期が遠のいたことにより訴訟積立金を見合わせたことも報告されました。
活動報告および決算報告は満場の拍手で承認されました。

続いて2018年度の活動方針が原告団長から提案されました。
北野さんはこの裁判を巡る情勢を、①安倍政権の原発政策、②原発抜きのゼロ炭素社会に向かう国際情勢、③原子力ムラを包囲する脱原発運動、④原発リスクが拡大する北陸電力、⑤志賀原発を廃炉に!訴訟の意義、にわたって詳細に分析し、以下の6点の具体的方針を提起しました。
(1)司法の責任放棄を許さず、早期結審を求める取り組み
(2)一日も早い廃炉の実現に向けたさまざまな取り組みの追求
(3)情報発信の充実、強化
(4)北電に対抗する諸団体との連帯
(5)全国の原発訴訟や脱原発運動との連帯
(6)法廷外の活動強化に向けた予算の確保
この活動方針は4人の原告からの質問や補強意見を経て、全会一致で承認されました。

総会の最後に「早期結審を求める特別決議」が圧倒的な拍手で確認されました。

総会終了後、第2部として木村 結さん(東電株主代表訴訟事務局長)が『脱原発への道―裁判・株主運動・原発ゼロ基本法の最前線』と題して記念講演を行いました。
木村さんは小泉元総理らと原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟を立ち上げ、原発ゼロ・自然エネルギー基本法案を公表し、制定に向け各政党、議員への働きかけを精力的に取り組んでいます。今日の講演では、訴訟や株主運動などの最前線を報告してもらいました。長年幅広く脱原発の運動に関わってきた彼女ならではの具体的、実践的なアドバイスはたいへん興味深く、参加者は熱心に耳を傾けていました。

2018年5月11日
by ok
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原告団ニュースを発行しました

原告・サポーターのみなさま、全国各地で原発訴訟をたたかう仲間のみなさま。
原告団ニュース第20号』を発行しました。
3月の口頭弁論で裁判長が表明した「訴訟方針」に対して、原告弁護団は裁判官全員の忌避(きひ)を申し立てました。今回の紙面はその経緯と今後の方向性について掲載しました。
ぜひご一読ください。

2018年3月27日
by ok
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裁判官を忌避―第26回口頭弁論

3月26日(月)、第26回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。

前回期日で裁判所は「次回は審理の方針を示すことを予定している」と述べていました。原告弁護団は、結審の可能性も含めたさまざまなケースを想定し、それぞれの対応を検討しながら今回の審理に臨みました。
裁判は私たちの呼びかけに応えて多くの原告・サポーターが詰めかけ、傍聴席で裁判所の姿勢に目を光らせる中で、午後2時に開廷されました。

冒頭、加島滋人裁判長は「原子力規制委員会有識者会合の評価書にかかわるデータ拡充は重要であると考えている。施設直下の断層が活断層であるかどうかを判断するには多方面の専門的科学的知見を要するので、規制委員会の判断を待ちたい」と述べました。

3月2日に開催された規制委員会の審査会合では、5本の断層以外にどれを(活断層であるかないかの)評価の対象にするかさえまだ決まっていません。北陸電力は座長の石渡委員から「資料の再構築」(出し直し!)を求められるなど深刻な事態に直面しており、この裁判に資料など出せない状況です。

いつまで待つかもわからない規制委員会(行政)の判断を待たなければ司法の判断を下せないということなら、それは民事訴訟の責任を放棄するにほとんど等しい、と言わなければなりません。
行政が例えば、「あれは活断層だから、志賀原発を動かしてはならない」と判断したらそれでもう終わり、司法判断を待つまでもありません。逆に「あれは活断層じゃない。原発を動かしてもいい」となれば、司法も同じように判断するということです。
要するに「今の裁判体で判決するつもりはない」と明言したも同然です。

岩淵原告弁護団長は直ちにそのことを指摘し、「この裁判は提訴してからもう6年になろうとしている。これは迅速な裁判を受けるというわれわれの権利を著しく阻害するものだ」と述べて、加島裁判長ら裁判官全員を忌避しました。
※「忌避」…裁判官が不公平な裁判を行うおそれがある場合、訴訟当事者の申し立てによってそれら裁判官をその事件の職務執行から排除するもの

これにより審理は一旦中断され、金沢地裁の別の裁判官によって「裁判官忌避」の可否が判断されることになります。
私たち原告団は、今後の進め方について弁護団と十分相談しながら慎重に判断し、5月26日(土)の原告団総会で原告とサポーターのみなさんに提案・協議したいと思います。

口頭弁論終了後、金沢弁護士会館2階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など60余人が参加しました。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

上は北陸中日新聞(3/27)下は朝日新聞(同)

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