志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2025年3月17日
by ok
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「志賀原発は廃炉だ!県民集会」を開催

3月16日(日)午後1時半より、金沢市ものづくり会館2階研修室に約130人が集まり、県民集会が開催されました。集会には多くの県民が詰めかけ、次から次へとイスを追加するのに事務局は大忙しでした。
集会は第1部として、東電福島原発事故の取材を続けている吉田千亜(ちあ)さんの「福島原発震災から学ぶ能登半島地震」と題した講演から始まりました。吉田さんは『孤塁―双葉郡消防士たちの3.11』(岩波書店)で日本ジャーナリスト会議賞などを受賞したフリーライターです。
吉田さんは「原発震災が起ったら、こんな悲劇が待っている」ということを、消防士としての使命感と被曝の恐怖との葛藤の中で、家族への遺書まで書いて福島第一原発の構内に入っていったことを、生々しく丹念に紹介しました。

第2部は「原発震災を考える―あのとき志賀原発の事故が重なっていたら―」と題したパネルディスカッションです。原告団長の北野進さんがコーディネーターを務め、珠洲の狼煙地区で区長を務めている糸矢敏夫さん、輪島で中学校教師をしている鳥井一芳さん、そして吉田さんもパネラーに加わりました。
私たちは大きな地震に原発災害が重なって「原発震災」になったらもうそれで終わり、だから「廃炉しかない」とスローガン的に口にします。それはその通りなのですが、北野さんは原発震災という言葉で想像力が止まってしまっているのではないか、と指摘します。
糸矢さんはもし珠洲原発ができていたらどうなっていたか、狼煙地区は中部電力の予定地からわずか1.5km。そこに住民がいて区長に何ができたのか。逃げ道を探してもどこも通行止め、とりあえず家の中に隠れようとしても半分以上潰れている。糸矢さんは「情報を知らない方が幸せかも知れない」と語りました。鳥井さんも自宅(穴水町)で被災して正月休みが明け、学校への出勤の指示を受けたときの葛藤を語りました。
会場は、参加者が「原発震災」についての議論を深め、志賀原発のリスクをあらためて問う場になりました。

 

 

北陸中日新聞(3/17)
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2025年2月11日
by ok
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“座して死を待つ”「避難計画」とは?

2月10日、金沢訴訟第44回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
久しぶりに大雪警報が解除されたものの、みぞれ交じりの空の下、原告・サポーターらは午後1時半に石川門下の白鳥路利家像前に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。

今回の原告意見陳述は、笹川榮子さん。
七尾市田鶴浜町に住む笹川さんは昨年の能登半島地震で自宅が半壊、避難先を二転三転した挙げ句、現在は自宅近くの仮設住宅で暮らしています。
笹川さんは、自宅が志賀原発から5~30kmのUPZ圏内にあり、原発が重大事故を起して緊急事態になったら屋内退避するになっていることについて、「半壊の自宅に閉じこもり、停電・断水が続く中、エアコンは使えず食料も尽きる中、屋内で放射能を浴び続けることは『座して死を待つ』ことです」と指摘しました。
そして自らの被災経験をふまえ、「避難計画は私たちを守れず、原子力防災訓練も役に立たないことがハッキリしました。地震への備えは一にも二にも、志賀原発を運転させないことです」と強く訴えました。

今回被告北陸電力側は準備書面(36)を提出し、原告側の第58準備書面「避難計画の実効性欠如による人格権の侵害」について「反論」しました。また原告の求釈明に対する回答書(2)を提出しました。
これに対して原告弁護団は、有識者会合の結論が覆ったときの規制委員会に提出されていた「敷地内断層ののスケッチ図や写真」が有識者会合の場で提出・説明されなかった理由などについて追及しました。
また金沢訴訟の14年間のうち半分近くの期間が「規制委員会の判断を待つ」ことに無駄に費やされていることを指摘し、次回の口頭弁論で「進行協議」を持つことを求め、裁判所もそれを了承しました。

法廷では以上のやりとりの末、次回の弁論を5月26日(月)14時から開催することを決めて約27分で終りました。

口頭弁論終了後、原告・サポーター、弁護団、報道陣らは隣の金沢弁護士会館会館2階ホールに移って報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約40人が参加しました。

 

北陸中日新聞(2/11)
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2025年1月24日
by ok
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第7次エネルギー基本計画(案)に対する声明

政府・経産省は「第7次エネルギー基本計画(案)」を公表、現在パブリックコメントを募集(1/26締切)しています。
これに対して原告団は以下の声明を発出しました。

第7次エネルギー基本計画に対する声明

政府・経済産業省は昨年12月17日、第7次エネルギー基本計画(案)を公表した。2011年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故の教訓により、2014年度以降、政府は「可能な限り原発への依存度を低減する」としていたが、今回その方針を180度転換し、原発を再生可能エネルギーとともに今後「最大限活用する」と大きく方針変更した。さらにこれまで最大40年としていた原発使用年数を最長60年とし、しかもその間の停止期間中の年数は含めないとする内容で、まさに福島第一原発事故の教訓をかなぐり捨てた暴挙と言わざるを得ない。また2040年度の電源構成について再生可能エネルギーとともに原子力を2割程度と位置付けるなど、既存の原発再稼働だけではなく、新規の建設までも企図している言語道断の内容である。
今回の基本計画(案)では昨年元日に発生した能登半島地震に触れた部分がわずかにあるが、それは「令和6年度能登半島地震での経験や教訓も踏まえ、国と原子力事業者・産業界は、それぞれの役割に応じて、迅速、正確かつ丁寧な情報発信に取り組む。また、世代を超えて丁寧な理解増進を図るため、原子力に関する教育の充実を図る」とあるだけである。能登半島地震で志賀原発PAZ地区内の人々は道路寸断、土砂災害などで避難など不可能であることを知った。さらに30km圏内のUPZ地区内住民も、屋内退避どころか住居そのものが全壊・半壊で避難場所にならないという現実に襲われたのである。今回の基本計画(案)は、巨大地震が起こったとき当該地区にあるPAZ、UPZ地区内では避難が全く困難という、能登半島地震の現実を無視し住民・国民を切り捨てるものと言わざるを得ない。今回の能登半島地震で幸いにも原発複合災害とならなかったのは、志賀原発が福島第一原発事故以降13年間稼働を止めていたからに他ならない。
また今回の基本計画(案)は『既設炉の最大限活用』の項で、原発の再稼働が進展している九州・関西地区では電気料金が3割安くなっていると喧伝し、原発の再稼働、増設こそが電気料金引き下げの要因であると強調している。しかし、テロ対策を含めた原発の安全確保のための費用はこれまでとは比較にならないほど増加しており、原発はもはや安価な電源とは言えないのが現実である。さらに脱炭素電源確保にも原発は必要不可欠としているが、一方で石炭火力については重要なエネルギー源として引き続き継続を維持するという、脱炭素社会を目指す世界的潮流とは相いれない内容となっている。
さらに今回の基本計画(案)では使用済み核燃料の扱いについても棚上げのままである。六ヶ所再処理工場の竣工が不可能なことは明らかであり、核のゴミのほったらかしをそのままにしている政府に原発を推進する資格はない。何よりも今回の基本計画(案)に欠如しているのは、事故後14年経った現在も故郷を奪われた何万もの人々がいるという福島第一原発事故の総括である。そして1年前に起きた能登半島巨大地震の教訓も全く生かされていないことにある。わたしたちはまるで能登半島地震など無かったかのように志賀原発を含めた既設炉の再稼働を強調している第7次エネルギー基本計画(案)をまとめ、世界の潮流に逆行する政策転換を図ろうとする政府・経産省に強く抗議する。そして多くの国民からの原案批判、修正の声に耳を傾け、脱原発への政策転換を明確にした基本計画へと抜本的見直しを行うことを強く要求する。

2025年1月23日
志賀原発を廃炉に!訴訟原告団