志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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質問書をめぐり、県と質疑応答

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12月27日、原告団は「さよなら!志賀原発ネットワーク」や「石川県平和運動センター」、「社民党石川県連合」などの代表とともに石川県庁を訪れて「原子力防災計画・安全協定に関する質問書」を提出し、県の担当者と質疑応答を行ないました。

申入れの回答では、県の消極的な態度が目立ちました。たとえば、安全協定に関するやりとりはこんな具合です。
K原子力安全対策室長)安全協定は法律に基づくものではない。事業者である北陸電力と自治体との協議によるものであり、その動向を注視していきたい。県としては、自治体からの要請があれば協議の場に立ち会い、納得できる合意形成がなされるよう努めていきたい。
Q)原発建設で、県は国策を推進する立場で関わってきた。その県が、安全協定に関して市町の動向を注視するだけでは、あまりにも第三者的、傍観者的態度ではないか。
K)県と北陸電力とは安全協定を最初に結んでおり、その立場から報告を受けている。中立の立場というのは変わらない。

Q)安全協定というのは法律に根拠があるわけでなく、政治的な判断も含め、各都道府県、市町村が電力会社と協定を交わしている。同意権を含む安全協定の拡大について、谷本前知事は極めて消極的で、同意権は立地県、立地町だけに留めておきたいという態度だった。それを転換して中立になるという意味なのか。
K)県政に変わりはないが、考え方の違い、立場の違いで相違が出てくる。反対派の立場、賛成派の立場があり、県は中立の立場だ。

Q)私たちは昨年以降、志賀町や七尾市、羽咋市など周辺自治体に足を運び、対話をしてきた。七尾市や羽咋市は引き続き志賀町と同等の権利を求めていくと述べており、中能登町も足並みを揃えると言っている。また富山県、氷見市も同等の権利を求めていく方針だ。そういう要請があった場合、県は協力すると受け止めていいか。
K)県は双方が納得いく合意形成が成されるよう努めていく。

Q)北陸電力は同等の権利を拡大したくないという立場で、自治体側は同等の権利を望んでいる。そういう中で県はどういうスタンスをとるのか。自治体側を応援する立場に立つのか否かが問われている。
K)まだ自治体からは要請がきていない。現在稼働ができない、審査も進んでいない状況で、様子見かなと思っている。
Q)協力の要請があれば県として後押しをする立場だという理解でいいか。
M原子力防災担当課長)肩入れするとか後押しするのではなく、相談があれば助言を行う。

Q)県は中立ということだが、大事なのは県民の命と暮らしだ。福島事故を経験して、原子力規制委員会も志賀原発は安全だとは言っていない。常に事故は起こりうるという対応をしている。それでも、各市町からの要請がなかったら県は動かないのか。
M)安全協定というのは、まず当事者間で結ぶもの。県の方から積極的にああしろ、こうしろとはならない。

Q 安全協定は志賀原発の稼働前に締結され、今日に至るまでほとんど改定されていない。協定の目的は「原発周辺の住民の安全を確保し、生活環境の保全を図ること」とされているが、「安全」の意味が福島原発事故の後、国の方では変わっている。それまでは、防災面から安全を考えるということはなかった。今は規制庁も、深層防護の第5層の防災をも含めた「安全」という意味に変わっている。防災の範囲も30km圏へと拡大されている。そこまで含めた安全を考えていかなければいけないのではないか。
K)そうですね。防災訓練では、30km圏内の氷見市とも協力している。

Q)訓練も含め、実効性が検証されると思うが、その上で、これで住民の安全を守れるのかという判断は富山県もしなければいけないし、七尾市も羽咋市も輪島市もしなければいけない。そういう意味で安全協定は当然拡大しなければいけないし、石川県もその立場に立つべきではないか。
K)個別の協定に立ち入ってしまうので、ここでは申し上げられない。今のところ、後押しできる状況にはないと考えている。
Q)そこは考え方が違うかもしれないが、安全についての考え方からしても、福島の教訓からしても、当然拡大していかなければならない。そういう認識を県が持っているかどうかが問われている。
K)それは当然持っているという認識だ。

Q)福島の汚染図と石川・富山の地図を重ねたら(防災クリファイルを見せながら)、汚染がひどかった飯館村が氷見や高岡、河北の位置にくる。隣接する富山県と一体となって考える必要がある。待っているのではなく、全体のことを考えて行動してほしい。県としてやれることはたくさんあるのではないか。リーダーシップを期待する。
Q)福島事故後、安全協定の拡大が全国的に進んだ。防災計画の範囲も10kmから30kmに広がった。それでも安全協定締結の範囲は拡大する必要はないという考えなのか。
K)住民がどう考えているか、そこは議会等の中で明確になってくると思う。それで安全協定を結ぶかどうかが決定されていくと思う。まだそこに至っていないという認識だ。

Q)志賀町以外の市町も同等の権利を得たいと表明している。県がそれを理解すると言うなら、話し合いが進んだときは、県としても協力していくのが当然ではないか。
Q)福島の事故の後、安全協定締結への機運が高まったが、その際に水を差して協力をしなかったのは県だ。そこを年頭において、今後の対応をしてもらいたい。
K)立地町との関係も考えながら対応していきたい。

最後に、申入れに参加した盛本芳久県議のあいさつです。
「原発は動いていても止まっていても事故は起こりうる。事故が起こったとき、どれだけ現実味を持って計画を作り、訓練をするかということが大事だ。国の指針やマニュアルを基に計画を作っていると思うが、それでいいのかというところからスタートしてほしい」
「事故が起こったとき一番近いところにいるのが市町であり県だが、市町も危機感が少ないというか現実味がない。本当に事故が起こったら責任をもってどうするんだ、ということが残念ながら伝わってこない。県と市町が密に協議をして、こんなときはどうなんだ、できるのかとか、こんなとき県はどうするんだといった緊迫感のある協議をぜひしていただきたい」

※写真は対応する県職員

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