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原子力防災訓練が実施される

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11月23日、志賀原発の重大事故を想定した原子力防災訓練が実施されました。
私たちは石川県平和運動センターや社民党石川県連と連携して、監視活動や住民アンケートを実施しました。
下記は富山市から参加したWさんが地元K新聞に投稿したものです。

《原子力防災訓練に疑問》
 23日に富山県と石川県合同で、志賀原発で重大事故が発生したことを想定した原子力防災訓練が、氷見市などで行われた。私も現地で訓練を見学した。
 志賀原発から30km以内の地区の避難者に、乗用車のドライブスルー方式で安定ヨウ素剤を屋外で配布する海峰小学校の現場を見て驚いた。10数名の職員は作業服に簡易ビニールコートのみ。避難指示地域のわずか外側の場所での屋外作業あり、実際の事故では放射性物質が飛来する危険を想定して、タイベックスーツや靴カバー、ビニール手袋着用で職員の被曝を防ぐべきだ。交通整理で到着した警察官2名はその通りの完全装備であり、見習うべきだ。
 氷見運動公園では、避難した住民の放射線測定などを実施していた。ところが測定作業の職員は通常の作業服のまま。これでは職員の被曝の危険性が高い。知事がヘリで視察というパフォーマンスの前に、職員や住民の被曝予防対策を考え直すべきだと痛感した。

続いて5団体による抗議声明です。

《抗 議 声 明》
本日午前6時30分から志賀原発の事故を想定した石川県原子力防災訓練が実施された。東京電力福島第一原発事故後では11回目の訓練となるが、私たちは毎回監視行動に取り組み、抗議声明を通じて訓練の課題や問題点を指摘してきた。残念ながら今回も志賀原発の再稼働を前提とし、その一方で事故の影響を過小評価し、最悪の事態、不都合な事態を避けるシナリオでの訓練が繰り返された。重大事故が起こっても、あたかも住民が皆安全に避難できるかのような、まやかしの訓練に対して強く抗議し、以下、問題点を指摘する。

1.PAZ圏内住民の即時避難は可能か
全面緊急事態で原則即時避難とされているが、サイト内情報が迅速、正確に通報されることが前提である。私たちが懸念するのは、北陸電力の事故隠しや通報の遅れである。臨界事故隠しなど、数多くの前例がある。福島原発事故のように中央制御室で原子炉内の様子が把握できない事態も想定される。このような場合でも敷地周辺のモニタリングポストで異常は検知可能とされるが、志賀原発は他のサイトと異なり、赤住までは400m、福浦も1km余りと、周辺集落との距離が近い。後述するように避難バスが直ちに来る保証もない。放射性物質放出前に常に避難を開始できるかのような訓練が繰り返されているが、前提条件に危うさがある。

2.UPZ圏内住民は「まずは屋内退避」の方針を受け入れていない
規制委は「UPZ圏内では、内部被ばくのリスクをできる限り低く抑え、避難行動による危険を避けるため、屋内退避を基本とすべき」との方針を示し、本日の訓練もその考え方に基づき実施されている。しかし、私たちが訓練と並行して行った住民アンケート調査では、屋内退避方針自体知らない、あるいは従わず避難するという住民が少なからずいることが確認されている(後日、詳細に報告予定)。規制委は「内部被ばくは、木造家屋においては4分の1程度」に抑えられるとするが、それは1993年以降に建てられた住宅であり、1980年以前に建てらえた住宅では低減効果は半分以下の44%とされている。放射性プルームからのガンマ線の外部被ばく遮蔽効果も木造家屋ではほとんど期待できない。「渋滞による大混乱は危険、その危険を避けるために屋内退避で被ばくする」という避難計画の根本的矛盾を多くの住民は見抜いている。

3.バスによる迅速な避難は幻想
県は今年3月、石川県バス協会との間で「災害等におけるバスによる人員等の輸送に関する協定書」を締結し、さらに原子力災害時の業務内容などを運用細則で定めた。しかしバス業界の実態をみると、緊急時のバスの配車は容易ではない。昨今の深刻な運転手不足に加え、コロナ禍による業績悪化、そして今は人流回復による繁忙段階へと入り、各事業者は常に余裕のない運行体制を敷いている。PAZ圏内の集合場所は22カ所あるが、全面緊急事態に至る数時間内に必要台数を確保することはほぼ不可能。「全面緊急事態で直ちに避難」は幻想である。UPZ圏全体で考えても、住民の1割がバス避難と仮定すると約1万5千人。県バス協会加盟事業者が保有する大型の貸し切りバスの253台(うちUPZ圏内事業者は52台)に加え、UPZ内の路線バスもすべて避難用に回すという非現実的想定をしても大幅に不足する。加えてOIL1(500μSv/h超)の場合は、運転手の被ばく問題(線量限度1mSv)もあり、さらに配車は困難となる。

4.様々な複合災害をなぜ想定しない
 今回も複合災害訓練は盛り込まれているが、地震により道路が一か所寸断し、応急復旧で通過可能となるという想定のみである。原子力災害の甚大さを考慮するならば、本来は異常気象による様々な巨大災害との複合災害を想定し、原子力防災が機能するのか真剣に検証すべきだ。最低限志賀町など周辺自治体が作成する土砂災害や洪水のハザードマップ、あるいは交通に重大な影響を及ぼす雪害との複合災害をも想定し、訓練を実施すべきではないか。志賀町の米町川や七尾市の御祓川、二宮川、熊木川などは近年も洪水の実績があり決して絵空事ではない。迅速かつ遠距離の避難が求められる原子力防災にどのような影響を及ぼすのか、課題は何か、なぜ訓練で検証しようとしないのか。最悪の事態、不都合な事態を避けるシナリオだと言わざるを得ない。

5.石川・富山合同の手抜き訓練
石川・富山両県合同の避難退域時検査訓練が氷見運動公園で初めて実施された。今年9月に全面改訂された内閣府および原子力規制庁の「避難退域時検査及び簡易除染マニュアル」に基づく訓練である。マニュアル自体、改定の都度、「避難の円滑化」との理由から簡略化(手抜き)が進んでいるが、そのマニュアルをさらに簡略化した訓練内容であった。簡易除染でも基準値を下回らなかった車両は想定せず、持ち物の検査なし。検査場所を通過せず避難所へ向かう住民も想定していない。さらに設営の前提となる石川県側からの検査予想台数・人数も明らかにされていない。今回の訓練で、氷見経由の避難がスムーズにできたとの総括は到底許されない。

6.長期避難のリスクを隠す訓練
 県や各市町の防災計画では「長期避難への対応」の項目がある。各市町では福島を参考に数年から10年の避難を想定しているとのこと。ところが本日の訓練に参加する避難者の持ち物を見れば、長期避難の可能性も意識している住民は一人もいない。防災リュックすら見かけない。避難退域時検査場所でも持ち物の汚染検査は想定されていない。ペットを飼う家庭は当然同行避難を考えるが、その対応も見られない。事故を過小評価し、長期避難のリスクを隠す訓練である。

7.最後に―――原子力防災は住民も地域も守らない
一企業の、電気を生み出す一手段に過ぎない志賀原発のために多くの県民の命や暮らしが脅かされ、財産を奪われ、ふるさとを追われる危険に晒され続けている。このような異常な事態を放置し、さらには覆い隠すかのように「重大事故でも無事避難」という防災訓練が繰り返されている。もっとも確実な原子力防災は原発廃炉である。原子力防災は住民を被ばくから守れない。地域を汚染から守ることもできない。私たちは、志賀原発の一日も早い廃炉実現に向けて、引き続き全力で取り組む決意をここに表明する。

2022年11月23日
  志賀原発を廃炉に!訴訟原告団
  さよなら!志賀原発ネットワーク
  石川県平和運動センター
  原水爆禁止石川県民会議
  社会民主党石川県連合

 

 

 

 

 

 

 

 

左は北陸中日新聞(11/24)、右は朝日新聞(同)

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