志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2015年7月2日
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大飯控訴審第4回口頭弁論を傍聴

7月1日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、関西電力大飯原発3・4号機差止訴訟控訴審の第4回口頭弁論が行われました。
志賀廃炉訴訟の原告・サポーターも十数人が支援に駆けつけました。

201507大飯控訴審口弁④ 024hh法廷では最初に、福島県いわき市で5人の子育てをしながらさまざまな活動をしている菅沢弁護士が意見陳述を行いました。菅沢さんは自らの体験を基に、福島原発事故が残した傷跡について、切々と語りました。住民対話の場では「今の方がつらい」という声が多くあがる。原発事故による避難とコミュニティ崩壊、放射能汚染問題は複雑さを増し、課題は細分化して見えにくくなり、可視化しにくくなっています、と訴えました。

続いて市川弁護士が福島原発事故の被害に遭った11人の陳述書の内容をピックアップして、パワーポイントでプレゼンしました。
陳述書を提出した一人は「私たちは被害を受けたものとして、二度と同じ思いを他の誰にも経験させたくないと思っています。事故の真実も責任も明らかにされないままに、原発の再稼働など考えられないことです。…それは私たちの犠牲をあざ笑うことです」と記述しています。

最後にあの『日本と原発』の要約バージョンを30分にわたって上映しました。
震災の直後に発生した福島原発事故によって、救助作業ができずに尊い命が失われた請戸地区の悲劇。「あの程度」で済んだのは偶然のたまもので、使用済み核燃料の状況によっては、東日本全体が壊滅する可能性があったこと。しかしにもかかわらず、新たに策定された新規制基準は原発の安全性を何ら保証するものではないこと、などなど。
映像による訴えは強い力を持って、裁判所に響き渡りました。

弁論終了後の進行協議で関西電力は、次々回期日は入れなくてもいいと言いました。彼らは地震問題など十指にのぼる対立点に対して反論せず、「これ以上主張することはありません」と述べ、それに対して裁判所も反論を促す気配はありません。
原告と被告の言い分が嚙み合わないまま、対立点がなかったことにされて川内訴訟のような判決がなされることは、何としても阻止しなければなりません。

201507大飯控訴審口弁④ 011hh閉廷後、北陸会館(兼六園下)5階ホールで記者会見と報告集会が開かれ、原告、弁護団、支援者、マスコミ関係者ら約80人が参加しました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

第5回口頭弁論は9月14日午後2時から同高裁で行われる予定です。

2015年5月26日
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志賀原発廃炉訴訟の口頭弁論が行われました

5月25日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第14回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。

裁判は午後1時30分に開廷され、最初に原告弁護団の宮西弁護士が第36準備書面「『限定的』絶対安全性と、そこから導かれる新たな司法判断の枠組」を要約陳述しました。201505-25廃炉口弁14 024hh
宮西さんは担当裁判官(左右の2名)が変ったこと、また高浜と川内の仮処分で正反対の決定が下されたことを踏まえ、あらためて原発に求められる安全性とはどういうものか、ということを論じました。福島原発事故で私たちが目の当たりにしたのは、その被害の甚大さ、深刻さ、悲惨さです。私たちが原発に求める安全性は、どんな小さなミスも許さないという「絶対的安全性」ではなく、福島事故のような悲惨な事故、重大な災害は万が一にも(絶対に)起してはいけないという「限定的」絶対安全性です。宮西さんは、裁判所はその要請に応えられる新たな判断枠組を示し、その枠組にしたがって正しい判断を下してほしい(その結論は「差止め」となるはず)と述べました。

次に坂本弁護士が第38準備書面「福島第一原発1号機IC系配管小破口LOCAの可能性は否定されない」について要約陳述しました。
201505-25廃炉口弁14 028hh福島第一原発1号機の事故に関して、原告は国会事故調の報告書に基づいて、IC系配管の小破口LOCA(冷却剤喪失事故)が生じた可能性があるという主張をしていますが、被告北陸電力はそれ以外の5つの事故報告書に基づいて「その可能性はない」と主張しています。
坂本さんは被告の主張と報告書の内容を詳細に分析し、どの報告書も小破口LOCAが生じた可能性を否定していないことを明らかにしました。そして被告が自らに都合よく報告書の内容をねじ曲げ、ミスリードしていることを、パワーポイントを使ってわかりやすく説明しました。

最後に北野原告団長が意見陳述を行いました。
201505-25廃炉口弁14 017hh去る5月13日の原子力規制委員会有識者会合では、志賀原発敷地内断層の評価について「活断層の可能性が否定できない」という見解で一致しました。本訴訟における私たちの主張を、4人の専門家が揃って追認した形です。そのことを踏まえて北野さんは、「裁判所は速やかに結審し、私たちの請求を全面的に認める判決を出してほしい」と訴えました。
北野さんは、志賀原発建屋の立地は最初から現在地だったわけではなく、反対運動の影響で二転三転した経緯をあらためて振り返りました。そして、現在の結果は、そんな所にあえて建てた北陸電力の安全性に対する意識がもたらしたものであり、自ら墓穴を掘ったに等しい、と述べました。

このたびの有識者会合の議論を受けて、多くの方から「もう裁判は大丈夫だね」などと言われますが、決して楽観することはできません。現に北陸電力は有識者会合の直後に、2号機に加えて1号機の適合性審査申請を示唆しています。彼らは行政訴訟も視野に入れ、簡単にあきらめるとは考えられません。たたかいの中で私たちの側から追い込んでいかないと、「再稼働断念・廃炉」への道は決して開けない。そのことをお互い肝に銘じて、一層の努力をして行きましょう。

弁論終了後の進行協議では、次回(7月27日)被告北陸電力は、敷地内断層の危険性について述べた第35準備書面に反論する書面を提出することを表明しました。原告弁護団としては、なるべく早く主張のやりとりを終えて立証段階に入りたいと考えており、証人申請の準備を進めています。

口頭弁論終了後、兼六園下の北陸会館で報告集会が開催され、原告・サポーター、マスコミ関係者など80余人が参加しました。201505-25廃炉口弁14 019hh
次回口頭弁論は7月27日(月)、次々回は10月15日(木)、いずれも午後1時半から同地裁で開かれる予定です。引き続きご支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。

2015年4月16日
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大飯控訴審第3回口頭弁論を傍聴しました

4月16日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、関西電力大飯原発3・4号機差止訴訟控訴審の第3回口頭弁論が行われました。
雨まじりの肌寒い天候にもかかわらず、多くの原告・支援者が詰めかけ、今回も傍聴は抽選になりました。志賀廃炉訴訟の原告・サポーターも数多く支援に駆けつけましたが、昨日の福井地裁仮処分決定に立会った人も多く、「昨年の地裁判決よりさらに踏み込んだ」とか、「とても元気が出た」という声があちこちで聞かれました。

法廷ではまず只野・内山両弁護士が地震動の問題について陳述しました。とくに内山201504大飯控訴審口弁 020h弁護士(写真)は30年来この問題について研究して書籍も出版しており、難しい専門的な内容をパワーポイントを使ってわかりやすく説明しました。
被告関電(他の電力会社も同じですが)の基準地震動の策定には、従来の地震動の平均像に若干プラスアルファするという、3.11福島原発事故前と何ら変わらない方法が用いられています。この方法は誤差が大きく、本当は10倍くらい余裕をとってもらわないといけない。500~800ガルを想定していますが、本当は5000~1万ガル、最大を想定するなら2万ガルでないといけない。そんな揺れに耐えられる施設を作るにはどんなに膨大な費用を要するか、という話です。
この問題では唯一川内原発訴訟で徹底的に議論しましたが、電力会社はそこに議論が踏み込んだら負けるということを思い知り、議論しないようにしようという方針に転換したようです。それがまさにこの日の関西電力の態度です。

今後の進行についての打合せでは、これ以上反論する姿勢を見せない被告関電に対して、原告側の弁護士が入れ替わり立ち替わりその誠意のない態度を批判し、真摯に向き合うよう求めました。中でも海渡弁護士は「私たちが要求していることは、昨日の福井地裁仮処分決定に対して関電が反論しようとしていることと同じ内容です。関電が本訴訟でそれをしないということは、本裁判所をバカにしているということです」と指弾しました。
201504大飯控訴審口弁 015h閉廷後、県教育会館(香林坊)2階会議室で記者会見と報告集会が開かれ、原告、弁護団、支援者、マスコミ関係者ら約80人が参加しました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書、報告集会(動画)は「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

第4回口頭弁論は7月1日午後2時から同高裁で行われる予定です。

201504大飯口弁ashh

 

朝日新聞 4/16

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