志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2015年12月25日
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あまりにお粗末な司法判断

12月24日、福井地裁(林潤裁判長)は関西電力高浜原発3、4号機について、再稼働を禁じた4月の仮処分決定を取り消しました。
4月の決定(樋口英明裁判長)では、「原子力規制委員会が策定した新規制基準は緩やかにすぎて合理性を欠き、適合しても安全性は確保されない」としていましたが、今回は「新規制基準は最新の科学的知見に照らし、不合理な点はない」と正反対の判断を示しました。

また同時に審理していた大飯原発3、4号機の運転差止めを求めた仮処分についても、「再稼働が差し迫っているとは言えない」として申立てを却下しました。

まるで安倍政権の再稼働路線を追認し、関電の主張をコピーしたような決定は、3.11福島原発事故を防げなかった昔の司法判断に逆戻りしたかのようです。
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上は北陸中日新聞(12/25)、左は朝日新聞(同)
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2015年12月1日
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大飯訴訟控訴審の口頭弁論

11月30日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、関西電力大飯原発差止訴訟控訴審の第6回口頭弁論が行われました。

201511-30大飯控訴審⑥ 007hh法廷では最初に、原告の田中徳雲さんが意見陳述しました。田中さんは福島県南相馬市の古刹同慶寺の住職さんです。田中さんは福島原発事故によって余儀なくされた避難生活などについて語り、「子どもたち、生きものたち、ごめんなさい。赦してください。これは東京電力や国策としてきた国の重大責任であると同時に、それを許してきた私たち一人ひとり、すべての大人の責任でもあると思います」と述べました。切々としたその「語り」は、法廷内のすべての人々の心に沁み入るようでした。
田中さんは「どうぞこの苦しみ、悲しみ、悔しさを理解してください。もう二度と過ちは繰返さないでください。私は今の自分の持てるありったけの力をふり絞ってこの思いを紡ぎ、この声を届けるためにやってきました」と締めくくりました。

続いて原告弁護団の甫守(ほもり)弁護士が、関西電力の基準地震動が過小になっていることを、長沢啓行大阪府立大名誉教授の論文に沿って、パワーポイントを使いながら説明しました。201511-30大飯控訴審⑥ 013hh
地震は実際に観測された地震波を用いて「耐震スペクトル」と「断層モデル」で評価されますが、関電の地震動評価の手法には最新の知見が反映されていません。その結果、大飯原発の基準地震動は1500ガル以上と予測されるのに対して、関電が耐震基準として主張しているのは856ガルに過ぎません。

陳述終了後の進行協議で、原告側は、基準地震動算出の元になったデータを提出してほしい(そうでないと検証できない)と求めました。しかし関電は「原子力規制委員会で審査しているので…(法廷には出せない)」と回答、傍聴席からは「司法軽視だ」との声が上がりました。
裁判長は「データがあるなら出してください」と原告側の主張を認め、次々回(6月)以降に最終弁論を求める意向を示しました。

詳細は「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ  をご覧ください。
201511-30大飯控訴審⑥ 005h

第7回口頭弁論は2016年2月29日(月)午後2時~
第8回口頭弁論は6月1日(水)午後2時~ 同高裁で行われる予定です。

2015年10月16日
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志賀廃炉訴訟の第16回口頭弁論

10月15日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第16回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
原告とサポーターは15分前から快晴の兼六公園下に集まり、福井や富山、滋賀県などから駆けつけてくれた仲間たちとともに、裁判所まで行進しました。

裁判は多くの原告・サポーターが傍聴席を埋めた205号法廷で午後1時30分に開廷され、最初に原告の和田廣治さん(富山市)が意見陳述しました。
201510-15口弁16 032hh志賀原発がまだ工事中だった1990年から反原発株主として北電の株主総会で発言してきた和田さんは、4年以上に及ぶ志賀原発運転停止中の電力需給状況を明らかにしながら、電力の安定供給のためにも、北陸地区の経済活動にとっても、志賀原発が不要であることを示しました。
和田さんは最後に、「志賀原発の再稼働を認めると…私たちやこれから生まれてくるすべての命が危険にさらされます。仮に事故がなくても、志賀原発で発生した大量の放射性廃棄物を今後数百年、数千年、数万年にわたって子々孫々に、生きとし生けるすべての命に、重大な危険性と膨大な費用を押しつけることに直結します」と訴えました。

続いて、原告弁護団が主張を裏付ける「証拠」として、映画『日本と原発』(30分短縮版)を法廷で上映しました。
被告北陸電力は「この映画の上映に反対する。そんなモノは全く必要ない」と上申書を提出して強固に反対してきました。こうした彼らの姿勢は、わからないわけではありません。
裁判所に原発事故の被害についてわかってもらうためには、それを直接体験してもらうのが一番です。201501「日本と原発」-2
法廷では、被告の代理人たちが苦い顔をしてモニターを眺めたり、眠ったふりをしていたのとは対照的に、裁判官はみんな、真剣な表情で見ていました。あらためて映像を通して、私たちの主張をしっかり伝えることができたと思います。

閉廷後の進行協議では、裁判長がこの裁判の争点を整理して年内に原告・被告に示すことを、あらためて表明しました。
今回被告からは二つの書面が提出され、私たちの主張に対してそれなりに反論を展開しました。
私たち原告側は、規制委員会の評価書案が完成した段階で書面を提出すると共に、被告の17、18準備書面に対する反論を行っていく予定です。

口頭弁論終了後、兼六園下の北陸会館で報告集会が開催され、原告・サポーター、マスコミ関係者など90余人が参加しました。
201510-15口弁16 007hh
201510-16口弁ashh201510-16口弁chnh※左朝日新聞(10/16)、右北陸中日新聞(同)
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