志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2016年1月26日
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第17回口頭弁論の報告

1月25日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第17回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
201601-25口弁17 009h能登地方を中心に60cmを超える積雪の中、原告とサポーターは正午過ぎから続々と兼六公園下に集まり、福井や富山から駆けつけてくれた仲間たちとともに、裁判所まで行進して入廷しました。

裁判は、多くの原告・サポーターが傍聴席を埋めた大法廷で午後1時30分に開廷され、原告の笹川榮子さん(七尾市)が意見陳述しました。
201601-25口弁17 017h3笹川さんは1987年、真宗大谷派僧侶5人と女性5人で起ち上げた反原発グループ「なまこの会」の活動について語りました。石川県知事や北陸電力に対して建設中止の申し入れを行い、全国から12万筆を超える署名を集めたにもかかわらず、その5年後に1号機が、それから13年後に2号機が運転を開始したのです。
笹川さんは報告集会で、あの画期的な2号機差止判決の5年後に、まさに判決が指摘したとおりの事故がフクシマで起ったことを指摘し、「声をあげて訴えないとダメ、そこから運動が始まる。みなさん、これからも一緒にがんばりましょう」と呼びかけました。

今回被告からは二つの準備書面が提出されました。
第19準備書面では、これまで原告の主張に対して反論してこなかった問題(原子力エネルギーの必要性やフクシマ以降の世論の動向など)について反論をしてきました。
また第20準備書面では、有識者会合による評価書が今年度中にも出されるのではないか(新聞報道)という情勢の中で、「有識者会合はなんら法的根拠のない団体であり、その評価は原子力規制委員会の適合性審査には何の関係もない」という主張を展開しています。
被告北陸電力は相当追い詰められている、というのが私たちの率直な感想です。

閉廷後、当事者(原告・被告)を除いて双方の代理人と裁判所との三者で進行協議が行われました。昨年末(12/28)に裁判所から争点整理メモが示され、それについてざっくばらんに話したい、との意向が示されました。
裁判所としては、双方の主張がある程度出そろったこの段階で、「何を、どういった枠組で判断すればいいのか」ということについて認識を共有したい、ということのようです。
この「三者協議」は次回期日(3/17)の後にも開催される予定です。

閉廷後北陸会館5Fで報告集会が開催されました。
写真は左から、さよなら!志賀原発ネットワークの講演会(2/27県教育会館)への参加を呼びかけた中垣たか子さん、「3.11ありがとう石川」(しいのき迎賓館)の紹介をした浅田正文さん、高浜3、4号機差止め本訴訟の提訴(3/11)に向けて、原告を募った「福井から原発を止める裁判の会」小野寺和彦さん。
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次回口頭弁論は3月17日(木)、次々回は6月16日(木)いずれも午後1時半から同地裁で開かれる予定です。

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左は朝日新聞(1/26)
右は北陸中日新聞(同)

2015年12月25日
by ok
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あまりにお粗末な司法判断

12月24日、福井地裁(林潤裁判長)は関西電力高浜原発3、4号機について、再稼働を禁じた4月の仮処分決定を取り消しました。
4月の決定(樋口英明裁判長)では、「原子力規制委員会が策定した新規制基準は緩やかにすぎて合理性を欠き、適合しても安全性は確保されない」としていましたが、今回は「新規制基準は最新の科学的知見に照らし、不合理な点はない」と正反対の判断を示しました。

また同時に審理していた大飯原発3、4号機の運転差止めを求めた仮処分についても、「再稼働が差し迫っているとは言えない」として申立てを却下しました。

まるで安倍政権の再稼働路線を追認し、関電の主張をコピーしたような決定は、3.11福島原発事故を防げなかった昔の司法判断に逆戻りしたかのようです。
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上は北陸中日新聞(12/25)、左は朝日新聞(同)
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2015年12月1日
by ok
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大飯訴訟控訴審の口頭弁論

11月30日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、関西電力大飯原発差止訴訟控訴審の第6回口頭弁論が行われました。

201511-30大飯控訴審⑥ 007hh法廷では最初に、原告の田中徳雲さんが意見陳述しました。田中さんは福島県南相馬市の古刹同慶寺の住職さんです。田中さんは福島原発事故によって余儀なくされた避難生活などについて語り、「子どもたち、生きものたち、ごめんなさい。赦してください。これは東京電力や国策としてきた国の重大責任であると同時に、それを許してきた私たち一人ひとり、すべての大人の責任でもあると思います」と述べました。切々としたその「語り」は、法廷内のすべての人々の心に沁み入るようでした。
田中さんは「どうぞこの苦しみ、悲しみ、悔しさを理解してください。もう二度と過ちは繰返さないでください。私は今の自分の持てるありったけの力をふり絞ってこの思いを紡ぎ、この声を届けるためにやってきました」と締めくくりました。

続いて原告弁護団の甫守(ほもり)弁護士が、関西電力の基準地震動が過小になっていることを、長沢啓行大阪府立大名誉教授の論文に沿って、パワーポイントを使いながら説明しました。201511-30大飯控訴審⑥ 013hh
地震は実際に観測された地震波を用いて「耐震スペクトル」と「断層モデル」で評価されますが、関電の地震動評価の手法には最新の知見が反映されていません。その結果、大飯原発の基準地震動は1500ガル以上と予測されるのに対して、関電が耐震基準として主張しているのは856ガルに過ぎません。

陳述終了後の進行協議で、原告側は、基準地震動算出の元になったデータを提出してほしい(そうでないと検証できない)と求めました。しかし関電は「原子力規制委員会で審査しているので…(法廷には出せない)」と回答、傍聴席からは「司法軽視だ」との声が上がりました。
裁判長は「データがあるなら出してください」と原告側の主張を認め、次々回(6月)以降に最終弁論を求める意向を示しました。

詳細は「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ  をご覧ください。
201511-30大飯控訴審⑥ 005h

第7回口頭弁論は2016年2月29日(月)午後2時~
第8回口頭弁論は6月1日(水)午後2時~ 同高裁で行われる予定です。