志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2016年6月9日
by ok
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大飯原発控訴審傍聴記

6月8日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第8回口頭弁論が行われました。

201606-08大飯控訴審口弁⑧ 005hh法廷で裁判官(内藤正之裁判長)が「キレる」のを、私は初めて見ました。冒頭、更新手続(※)をめぐる議論です。原告側が主張したのは至極当たり前のことです。今回から裁判官が交代(3人のうち一人)したのですが、次回期日に弁論更新のための時間をきちんと取ってほしい、というもの。裁判長はこの日の弁論更新を指示し、「おれの訴訟指揮に従えないのか」と言わんばかりの発言は、完全に声が裏返っていました。
最終的に、次回弁論更新に2時間を確保することになったのですが、だったらあの高圧的な態度は一体何だったのか。
※注)民事訴訟法第249条②「裁判官が代わった場合には、当事者は従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない」

原告側の意見陳述は障害者の相談支援専門員をしている小松崎さん。彼女は東日本大震災の際、福井から南相馬市に派遣され障害者訪問活動を行った経験を話しました。障害のある人は環境変化に敏感です。小さな変化でも、不安定になったり体調を崩したりする人が多く、日常生活を失うことは健康、命に直結する問題です。201606-08大飯控訴審口弁⑧ 006hh
小松崎さんは、「いざ原発事故が起ったら、取り残されるのは障害者、高齢者です。逃げられない人がいるとわかっていながら、また原発を動かすのでしょうか」と訴えました。

原告弁護団からは第20~25準備書面が提出されました。私が注目した(弁護団もとくにその意義を強調した)のは、島崎邦彦さんの陳述書です。島崎さんは名だたる活断層の専門家であり、原子力規制委員会の元委員長代理でもあります。
201606島崎邦彦1-h4氏はこれまで地震学会のフィールドで、「入倉・三宅モデルを使うと基準地震動は過小評価(1/4程度に)される」ことを何度も指摘してきましたが、関西電力はこれを無視してきました。今回氏は原告弁護団の要請に応じ、大飯原発の基準地震動の策定は過小評価に過ぎる、と陳述書で具体的に明らかにしました。
このことの意義は決して小さいものではありません。大飯原発について関西電力が定めた基準地震動が過小であり、そのことを規制委OBが強く懸念していることを示したのみならず、各電力会社が自らに都合の良い方式を採用して基準地震動を定めている以上、その影響は全国の原発訴訟に及ぶものです。

最後に陳述した山本雅彦さんは、関西電力が規制委員会に対してさえ、大飯原発周辺を調査した生データを提出していないことを明らかにしました。規制委員会は関電が提出した計算結果、あるいはその計算に基づいた図しか見ていない。これでは計算に誤りがないかどうか、検証することすらできません。
原告団は裁判所に対して、こうした生データの提出命令を出すように求めました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

第9回口頭弁論は10月19日、
第10回口頭弁論は2017年1月30日、いずれも午後2時から同高裁で行われる予定です。

201606-09大飯口弁ashh201606-09大飯口弁chnh

 

左は朝日新聞(6/9)、右は北陸中日新聞(同)
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2016年3月18日
by ok
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第18回口頭弁論が行われました

3月17日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第18回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
201603-17口弁18 006hh春の到来を思わせる快晴の空の下、原告とサポーターは続々と兼六公園下に集まり、県外から駆けつけてくれた仲間たちとともに、横断幕を掲げ裁判所まで行進しました。

裁判は午後1時30分に大法廷で開廷され、最初に原告の川原登喜のさん(富山)が意見陳述しました。
201603-17口弁18 030hh川原さんは、国や電力会社・行政が地元住民の不安の声を無視したり、過疎地に原発建設を強行したりすることから原発政策に疑問を持つようになり、志賀原発(能登原発)着工前から反対運動に関わってきました。
川原さんは福島事故後、富山に避難してきた人たちとの関わりや、震災がれき受入れ問題を通して、福島原発事故が富山県民にとっても決して無縁ではないことを悟ります。低線量被爆の問題や食品の放射能汚染の危険性を指摘し、自然環境に恵まれた北陸電力こそ、水力・風力・太陽光などの再生可能エネルギーにシフトしてほしい、と訴えました。

つづいて宮本弁護士が第47準備書面(S-2・S-6断層の危険性)の要約陳述を行いました。
最大の争点である敷地内断層問題では、「足元に活断層が存在する疑いがある1号機は廃炉に」と報道されたS-1断層に比べて、S-2・S-6断層に関する私たちの主張が十分だったとは言えません。
201503-5口弁13 027hhh宮本さんはパワーポイントを使って、S-2・S-6も原発に危険性を及ぼしうる断層であることをわかりやすく説明しました。
S-2・S-6断層は2号機タービン建屋の直下を走っていますが、この建屋内には原子炉補機冷却水系配管およびそれを支える構造物が設置されており、「耐震重要施設」に該当します。
宮本さんは、第6回評価会合において4人の有識者が指摘した事項を詳細に分析し、S-2・S-6断層が「将来活動する可能性のある断層等」であることを明らかにしました。この断層がタービン建屋の下にあることは、新規制基準の定める「活断層直上施設禁止ルール」に違反しています。

今回、被告北陸電力は準備書面を出ませんでしたが、裁判所の「争点メモ」に対する「意見書」を提出しました。その中で彼らは、裁判所の審理は規制委の評価書ではなく、最終判断を待って行うべきだ、と述べています。
そんないつ出るか全くわからない判断が出るまで、この裁判を空転させようというのでしょうか?裁判所もそうした判断をずっと待つつもりはない、との考えを進行協議の中で示しました。

閉廷後、お披露目から間もないピカピカの金沢弁護士会館で報告集会が開催さ201603-17口弁18 012hhれました。
意見交流では、「福井から原発を止める裁判の会」の小野寺さんが、大津地裁の仮処分決定を受けて、高浜3、4号機差止め本訴訟の提訴を保留にした経過を報告しました。

次回口頭弁論は6月16日(木)午後2時半から、次々回は9月1日(木)に同地裁で開かれる予定です。

201603-18口弁18chnhh

 

北陸中日新聞(3/18)左と
朝日新聞(同)下

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2016年1月26日
by ok
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第17回口頭弁論の報告

1月25日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第17回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
201601-25口弁17 009h能登地方を中心に60cmを超える積雪の中、原告とサポーターは正午過ぎから続々と兼六公園下に集まり、福井や富山から駆けつけてくれた仲間たちとともに、裁判所まで行進して入廷しました。

裁判は、多くの原告・サポーターが傍聴席を埋めた大法廷で午後1時30分に開廷され、原告の笹川榮子さん(七尾市)が意見陳述しました。
201601-25口弁17 017h3笹川さんは1987年、真宗大谷派僧侶5人と女性5人で起ち上げた反原発グループ「なまこの会」の活動について語りました。石川県知事や北陸電力に対して建設中止の申し入れを行い、全国から12万筆を超える署名を集めたにもかかわらず、その5年後に1号機が、それから13年後に2号機が運転を開始したのです。
笹川さんは報告集会で、あの画期的な2号機差止判決の5年後に、まさに判決が指摘したとおりの事故がフクシマで起ったことを指摘し、「声をあげて訴えないとダメ、そこから運動が始まる。みなさん、これからも一緒にがんばりましょう」と呼びかけました。

今回被告からは二つの準備書面が提出されました。
第19準備書面では、これまで原告の主張に対して反論してこなかった問題(原子力エネルギーの必要性やフクシマ以降の世論の動向など)について反論をしてきました。
また第20準備書面では、有識者会合による評価書が今年度中にも出されるのではないか(新聞報道)という情勢の中で、「有識者会合はなんら法的根拠のない団体であり、その評価は原子力規制委員会の適合性審査には何の関係もない」という主張を展開しています。
被告北陸電力は相当追い詰められている、というのが私たちの率直な感想です。

閉廷後、当事者(原告・被告)を除いて双方の代理人と裁判所との三者で進行協議が行われました。昨年末(12/28)に裁判所から争点整理メモが示され、それについてざっくばらんに話したい、との意向が示されました。
裁判所としては、双方の主張がある程度出そろったこの段階で、「何を、どういった枠組で判断すればいいのか」ということについて認識を共有したい、ということのようです。
この「三者協議」は次回期日(3/17)の後にも開催される予定です。

閉廷後北陸会館5Fで報告集会が開催されました。
写真は左から、さよなら!志賀原発ネットワークの講演会(2/27県教育会館)への参加を呼びかけた中垣たか子さん、「3.11ありがとう石川」(しいのき迎賓館)の紹介をした浅田正文さん、高浜3、4号機差止め本訴訟の提訴(3/11)に向けて、原告を募った「福井から原発を止める裁判の会」小野寺和彦さん。
201601-25口弁17 025h3201601-25口弁17 027h3201601-25口弁17 035h3

次回口頭弁論は3月17日(木)、次々回は6月16日(木)いずれも午後1時半から同地裁で開かれる予定です。

201601-26口弁17ashhh201601-26口弁17chnhh

 

 

 

 

 

 

左は朝日新聞(1/26)
右は北陸中日新聞(同)