志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2017年7月6日
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原告弁護団が裁判官を忌避…大飯控訴審

7月5日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第12回口頭弁論が行われました。

裁判ではまず最初に、大飯高浜原発などで働いていた原発技術者の山本雅彦さんが意見陳述しました。山本さんは前回証言した元原子力規制庁委員長代理の島崎邦彦氏のインタビュー記事(朝日新聞)の中から、「…電力会社は想定が小さければ耐震費用を抑えられる。地震の想定をわずかでも小さく見積もろうとするのは、コストカットと同じ意識かも知れません。安全文化に対する会社の体質の問題でしょう…あの津波で学んだはずでしたが、いまだ変わっていない人もいます」の部分を引用しました。
山本さんは「ひずみ集中帯」の調査は新潟地域や津軽沖以外の地域はほとんど観測データが得られていないことを指摘し、「福井地域も調査する」としている国の調査を待つべきだと主張しました。
続いて甫守弁護士が、大飯原発の地震動は過小評価になっているとした前回の島崎証言をふまえて、具体的にどういう地震動を起こすかということについて、東大地震研究所の纐纈一起教授が言及しているから、ぜひとも証人尋問で訊きたい、と主張しました。
最後に島田弁護団長が、国の安全審査に問題があるということを丁寧に指摘し、纐纈教授、新潟大学立石教授などの証人尋問を求めました。

これに対して被告関西電力は、必要な立証は尽くしているとして、新たな証人は必要ないと主張しました。

内藤裁判所長は合議のため、10分間の休廷を言い渡しました。
そして再開直後、裁判長は審理が3年近くに及ぶこと、膨大な証拠や書証があり、裁判所が判断するに十分な資料があるとして、原告側が求めた証人をことごとく却下しました。

直ちに原告弁護団の河合弁護士が立ち上がり、「真実を究明する意思があるかどうか、深い疑念を抱かざるを得ない」として、3人の裁判官を忌避しました。
「忌避」というのは、裁判官が不公平な裁判を行うおそれがある場合、訴訟当事者の申し立てによってそれら裁判官をその事件の職務執行から排除するものです。「あなたはちゃんとした判決を書く気がないからどけ」と言ったも同様で、弁護士の9割以上は経験したことのない場面です。

今後は裁判が一時中断され、名古屋高裁の別の裁判体が合議して忌避が妥当であるかどうかを判断します。この訴訟はまた、大きな区切りを迎えることになりました。

2017年4月25日
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大飯控訴審第11回口頭弁論

4月24日午後1時半より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第11回口頭弁論が行われました。

元原子力規制庁委員長代理の島崎邦彦氏の証人尋問が行われるとあって、傍聴抽選には200人を超える行列が裁判所を取り囲みました。案の定筆者も抽選に外れ、今日の傍聴記は「また聞き」になってしまいました。

開廷中、福井や敦賀からバスで参加した人や、遠く関西や広島から駆けつけた支援者ら80余名が隣の金沢弁護士会館に集まりました。会場では「福井から原発を止める裁判の会」の人たちによる裁判の経過説明、DVDの上映(原子力規制委員会での島崎発言の録画や、脱原発弁護団全国連絡会の『そこが知りたい脱原発裁判』など)、志賀訴訟原告団からの連帯のあいさつ、「反戦タイガース」や「脱原発ソング」の歌唱指導がありました。

みんなが待ちくたびれたころにやっと裁判が終わり、午後5時20分から報告集会・記者会見が始まりました。
集会は、この日から新弁護団長に就任した島田弁護士の「今日は、原発の安全神話を福島事故後に再構築しようとしていた原子力ムラの論拠がもろくも崩れ去った、まさに歴史的な日でした」というあいさつから始まりました。
島崎氏の証人尋問によって、「新安全神話」の根拠となってきた新規制基準が全く役に立っておらず、入倉・三宅方式による地震動予測は大幅な過小評価(2分の1~4分の1)につながる、ということが明らかになりました。電力会社側は原発の安全性を全く立証できない状況に追い込まれ、「裁判が新たなステージに入った」(弁護団長)ことを強く印象づけました。

北陸中日新聞(4/25)※クリックすると拡大します

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

2017年3月17日
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第22回口頭弁論が行われました

3月16日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第22回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
県外から駆けつけた支援者を含め、兼六公園下に集まった多くの原告とサポーターは「志賀原発を廃炉に!再稼働は認めない!」の横断幕を掲げ、裁判所まで行進しました。

口頭弁論は午後2時30分から205号大法廷で開廷され、最初に原告の宇治谷明美さんが意見陳述しました。
富山県庁に勤め長年労組女性部の活動に携わってきた宇治谷さんは、鎌仲ひとみ監督の映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の自主上映にかかわる中で、持続可能なエネルギーへの転換が可能だという確信を持ちました。未来ある子や孫に何としても原発のない社会を残したいと、福島原発事故から6年、毎週水曜日に北陸電力本社前で「ランチタイムアピール」を行っています。
宇治谷さんは、北陸電力が一番最初に「志賀原発を廃炉に」し、水力をはじめとする自然エネルギーにシフトすれば、企業イメージアップにもつながるはず、と訴えました。

その後、今後の裁判の進行についての協議が行われました。
今回私たち原告・弁護団は第54準備書面を提出し、判決を出すに十分な主張立証が尽くされていると主張しました。本訴訟の争点は敷地内(重要施設直下)に活断層があるかどうかであり、有識者会合評価書においてその存在は明らかになっています。有識者会合のメンバーに専門性がないとか、科学的議論が尽くされていないなどといった被告の論拠はいずれも当らないものであり、こうした反論のために裁判を長引かせることなく、直ちに結審するよう求めました。
これに対して被告側は、有識者会合の評価書は科学的に問題があって証拠価値が低い。今後9通の鑑定書を提出しそれに沿って準備書面を提出する予定である、と審議の継続を求めました。
最終的に藤田裁判長は、「原発差止請求を満たすかどうかはその危険の切迫性が問題となる。原告側は有識者会合の評価書をもって立証できているとし、被告側はその証拠価値を争う構えで、評価書の信用性が争点になっている」とした上で、「被告が相応の主張立証をするということなので、期日は続行したい」と述べました。

次回期日は2017年7月10日(月)午前11時より開かれることになりました。
残念ながら今年度中の結審はなくなり、新たな裁判官の下で「仕切り直し」となります。しかし、最大の争点が原発直下の断層問題であり、有識者会合の結論が変わらない以上、早期結審を求める私たちの方針が揺らぐことはありません。

口頭弁論終了後、金沢弁護士会館2階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など60余人が参加しました。