志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2016年6月17日
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第19回口頭弁論が行われました

6月16日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第19回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
今回は事前に双方の代理人と裁判所による進行協議が行われたため、原告とサポーターは午後2時15分から兼六公園下に集まり、福井や富山、滋賀県などから支援に駆けつけてくれた仲間たちとともに、裁判所まで行進しました。

口頭弁論は205号大法廷で午後2時30分に開廷され、最初に原告の中村照夫さん(石川県平和運動センター事務局長)が意見陳述しました。
201606-16廃炉口弁19 022hh中村さんは石川県職員労働組合の活動家として40年間にわたり組合運動に携わってきましたが、原発の問題に初めて目覚めたのは、小林圭二さん(当時京大原子炉実験所)の講演を聴いてからでした。中村さんは「原発事故が起ればその最前線で命がけで業務に当らなければならない自治体職員こそ脱原発の先頭に立たなければならない」と語り、福島事故がなぜ起ったのか、誰が責任を取ったのか、取らなくても済むから再稼働ができるのではないか、と強く訴えました。

続いて原告弁護団の宮本弁護士が第51準備書面「施設直下活断層に関する危険性について-5」の要約陳述を行いました。
4月27日、有識者会合の評価書が原子力規制委員会に提出され、規制委員会はこれを受理しました。原告団としてこの評価書は、本訴訟進行上の最も決定的な証拠だと考えています。宮本さんは評価書の持つ重みを裁判所にきちんと受け止めてほしいという思いで、この日は評価書の結論に絞って主張を展開しました。201606-16廃炉口弁19 024hh
評価書によれば、S-1のみならずS-2・S-6断層についても新規制基準が定める「将来活動する可能性のある断層」であることは明らかで、志賀原発ではそれぞれその直上に1号機原子炉建屋と2号機タービン建屋という耐震重要施設が設置されていて、新規制基準違反は明らかであると主張しました。

今回被告からは第21準備書面(S-2・S-6断層についての原告書面への反論)、第22準備書面(裁判所「争点メモ」に対する意見)、および第23準備書面(評価書の位置づけに関するもの)が提出されました。このうち第23準備書面は有識者会合の評価書は「科学的ではない」という驚くべき内容です。彼らはそんなことを思いながら、3年半も有識者会合での説明を続けてきたのでしょうか?
北陸電力は有識者会合で彼らの満足する「結論」が出なかったので、規制委員会で納得できる結論が出るまで、何が何でもこの裁判を長引かせようという腹づもりのようです。
私たちの裁判は終盤に来て、有識者評価書という証拠に基づいて早く結論を出すように求める原告側と、引き延ばしをはかる被告側とのせめぎ合いの様相を呈しています。

口頭弁論終了後、隣の金沢弁護士会館で報告集会が開催され、原告・サポーター、マスコミ関係者など60余人が参加しました。
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次回口頭弁論は2016年9月1日(木)、次々回は12月5日(月)いずれも午後2時半から同地裁で開かれる予定です。

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左北陸中日新聞(6/17)右朝日新聞(同)
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2016年6月9日
by ok
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大飯原発控訴審傍聴記

6月8日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第8回口頭弁論が行われました。

201606-08大飯控訴審口弁⑧ 005hh法廷で裁判官(内藤正之裁判長)が「キレる」のを、私は初めて見ました。冒頭、更新手続(※)をめぐる議論です。原告側が主張したのは至極当たり前のことです。今回から裁判官が交代(3人のうち一人)したのですが、次回期日に弁論更新のための時間をきちんと取ってほしい、というもの。裁判長はこの日の弁論更新を指示し、「おれの訴訟指揮に従えないのか」と言わんばかりの発言は、完全に声が裏返っていました。
最終的に、次回弁論更新に2時間を確保することになったのですが、だったらあの高圧的な態度は一体何だったのか。
※注)民事訴訟法第249条②「裁判官が代わった場合には、当事者は従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない」

原告側の意見陳述は障害者の相談支援専門員をしている小松崎さん。彼女は東日本大震災の際、福井から南相馬市に派遣され障害者訪問活動を行った経験を話しました。障害のある人は環境変化に敏感です。小さな変化でも、不安定になったり体調を崩したりする人が多く、日常生活を失うことは健康、命に直結する問題です。201606-08大飯控訴審口弁⑧ 006hh
小松崎さんは、「いざ原発事故が起ったら、取り残されるのは障害者、高齢者です。逃げられない人がいるとわかっていながら、また原発を動かすのでしょうか」と訴えました。

原告弁護団からは第20~25準備書面が提出されました。私が注目した(弁護団もとくにその意義を強調した)のは、島崎邦彦さんの陳述書です。島崎さんは名だたる活断層の専門家であり、原子力規制委員会の元委員長代理でもあります。
201606島崎邦彦1-h4氏はこれまで地震学会のフィールドで、「入倉・三宅モデルを使うと基準地震動は過小評価(1/4程度に)される」ことを何度も指摘してきましたが、関西電力はこれを無視してきました。今回氏は原告弁護団の要請に応じ、大飯原発の基準地震動の策定は過小評価に過ぎる、と陳述書で具体的に明らかにしました。
このことの意義は決して小さいものではありません。大飯原発について関西電力が定めた基準地震動が過小であり、そのことを規制委OBが強く懸念していることを示したのみならず、各電力会社が自らに都合の良い方式を採用して基準地震動を定めている以上、その影響は全国の原発訴訟に及ぶものです。

最後に陳述した山本雅彦さんは、関西電力が規制委員会に対してさえ、大飯原発周辺を調査した生データを提出していないことを明らかにしました。規制委員会は関電が提出した計算結果、あるいはその計算に基づいた図しか見ていない。これでは計算に誤りがないかどうか、検証することすらできません。
原告団は裁判所に対して、こうした生データの提出命令を出すように求めました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

第9回口頭弁論は10月19日、
第10回口頭弁論は2017年1月30日、いずれも午後2時から同高裁で行われる予定です。

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左は朝日新聞(6/9)、右は北陸中日新聞(同)
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2016年3月18日
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第18回口頭弁論が行われました

3月17日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第18回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
201603-17口弁18 006hh春の到来を思わせる快晴の空の下、原告とサポーターは続々と兼六公園下に集まり、県外から駆けつけてくれた仲間たちとともに、横断幕を掲げ裁判所まで行進しました。

裁判は午後1時30分に大法廷で開廷され、最初に原告の川原登喜のさん(富山)が意見陳述しました。
201603-17口弁18 030hh川原さんは、国や電力会社・行政が地元住民の不安の声を無視したり、過疎地に原発建設を強行したりすることから原発政策に疑問を持つようになり、志賀原発(能登原発)着工前から反対運動に関わってきました。
川原さんは福島事故後、富山に避難してきた人たちとの関わりや、震災がれき受入れ問題を通して、福島原発事故が富山県民にとっても決して無縁ではないことを悟ります。低線量被爆の問題や食品の放射能汚染の危険性を指摘し、自然環境に恵まれた北陸電力こそ、水力・風力・太陽光などの再生可能エネルギーにシフトしてほしい、と訴えました。

つづいて宮本弁護士が第47準備書面(S-2・S-6断層の危険性)の要約陳述を行いました。
最大の争点である敷地内断層問題では、「足元に活断層が存在する疑いがある1号機は廃炉に」と報道されたS-1断層に比べて、S-2・S-6断層に関する私たちの主張が十分だったとは言えません。
201503-5口弁13 027hhh宮本さんはパワーポイントを使って、S-2・S-6も原発に危険性を及ぼしうる断層であることをわかりやすく説明しました。
S-2・S-6断層は2号機タービン建屋の直下を走っていますが、この建屋内には原子炉補機冷却水系配管およびそれを支える構造物が設置されており、「耐震重要施設」に該当します。
宮本さんは、第6回評価会合において4人の有識者が指摘した事項を詳細に分析し、S-2・S-6断層が「将来活動する可能性のある断層等」であることを明らかにしました。この断層がタービン建屋の下にあることは、新規制基準の定める「活断層直上施設禁止ルール」に違反しています。

今回、被告北陸電力は準備書面を出ませんでしたが、裁判所の「争点メモ」に対する「意見書」を提出しました。その中で彼らは、裁判所の審理は規制委の評価書ではなく、最終判断を待って行うべきだ、と述べています。
そんないつ出るか全くわからない判断が出るまで、この裁判を空転させようというのでしょうか?裁判所もそうした判断をずっと待つつもりはない、との考えを進行協議の中で示しました。

閉廷後、お披露目から間もないピカピカの金沢弁護士会館で報告集会が開催さ201603-17口弁18 012hhれました。
意見交流では、「福井から原発を止める裁判の会」の小野寺さんが、大津地裁の仮処分決定を受けて、高浜3、4号機差止め本訴訟の提訴を保留にした経過を報告しました。

次回口頭弁論は6月16日(木)午後2時半から、次々回は9月1日(木)に同地裁で開かれる予定です。

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北陸中日新聞(3/18)左と
朝日新聞(同)下

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