志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2017年3月17日
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第22回口頭弁論が行われました

3月16日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第22回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
県外から駆けつけた支援者を含め、兼六公園下に集まった多くの原告とサポーターは「志賀原発を廃炉に!再稼働は認めない!」の横断幕を掲げ、裁判所まで行進しました。

口頭弁論は午後2時30分から205号大法廷で開廷され、最初に原告の宇治谷明美さんが意見陳述しました。
富山県庁に勤め長年労組女性部の活動に携わってきた宇治谷さんは、鎌仲ひとみ監督の映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の自主上映にかかわる中で、持続可能なエネルギーへの転換が可能だという確信を持ちました。未来ある子や孫に何としても原発のない社会を残したいと、福島原発事故から6年、毎週水曜日に北陸電力本社前で「ランチタイムアピール」を行っています。
宇治谷さんは、北陸電力が一番最初に「志賀原発を廃炉に」し、水力をはじめとする自然エネルギーにシフトすれば、企業イメージアップにもつながるはず、と訴えました。

その後、今後の裁判の進行についての協議が行われました。
今回私たち原告・弁護団は第54準備書面を提出し、判決を出すに十分な主張立証が尽くされていると主張しました。本訴訟の争点は敷地内(重要施設直下)に活断層があるかどうかであり、有識者会合評価書においてその存在は明らかになっています。有識者会合のメンバーに専門性がないとか、科学的議論が尽くされていないなどといった被告の論拠はいずれも当らないものであり、こうした反論のために裁判を長引かせることなく、直ちに結審するよう求めました。
これに対して被告側は、有識者会合の評価書は科学的に問題があって証拠価値が低い。今後9通の鑑定書を提出しそれに沿って準備書面を提出する予定である、と審議の継続を求めました。
最終的に藤田裁判長は、「原発差止請求を満たすかどうかはその危険の切迫性が問題となる。原告側は有識者会合の評価書をもって立証できているとし、被告側はその証拠価値を争う構えで、評価書の信用性が争点になっている」とした上で、「被告が相応の主張立証をするということなので、期日は続行したい」と述べました。

次回期日は2017年7月10日(月)午前11時より開かれることになりました。
残念ながら今年度中の結審はなくなり、新たな裁判官の下で「仕切り直し」となります。しかし、最大の争点が原発直下の断層問題であり、有識者会合の結論が変わらない以上、早期結審を求める私たちの方針が揺らぐことはありません。

口頭弁論終了後、金沢弁護士会館2階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など60余人が参加しました。

2017年1月31日
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島崎邦彦氏の証人尋問が決定―大飯控訴審

1月30日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟(控訴審)の第10回口頭弁論が行われました。

法廷では最初に、福島原発事故で被災し双葉郡富岡町から茨城県に避難している木田節子さんが意見陳述しました。
TVや新聞が「あの日を忘れない」とか「被災地は今」などの特集を組んでいますが、木田さんはそうした番組が「泣いてばかりはいられない」「前向きに生きる」などと締めくくることに疑問を投げかけます。甲状腺ガンなどの健康被害にはふれず、汚染廃棄物が入ったフレコンバッグだらけの町に帰還することだけが福島の復興なのかと。
木田さんは帰還にともなう助成制度を利用して福島で農業を始めた若夫婦の話をしました。二人でイチゴ栽培を始めたものの、県内のスーパーでさえ遠方野菜(西日本や九州など)から買われていくのが実情で、売場に残されたイチゴのあまりの安さ(5円)に絶望して、自死してしまったということです。
木田さんは裁判所に、福島の今が福井の未来にならないように、「あなたの町を次のフクシマにしなかったのは私たちです」と誇れるような判決をください、と訴えました。

原告第30準備書面「250km圏外における危険性」の要約陳述の後、次回以降の進行協議がありました。
その中で、次回4月24日、島崎邦彦さんの証人尋問が開廷時間を繰上げて行われることが決まりました。
島崎さんは原子力規制委員会の元委員長代理で、活断層の専門家です。氏は大飯原発の基準地震動の策定が過小評価に過ぎることを、陳述書で明らかにしました。各電力会社がそれぞれ自らに都合の良い方式を採用して基準地震動を定めている以上、氏の証言の影響は全国の原発訴訟にも波及するものです。

報告集会で弁護団からは、証人尋問を成功させるためにギリギリまで全力を傾注したい、という決意が表明されました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

2016年12月6日
by ok
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第21回口頭弁論の報告

dscn7371hh12月5日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第21回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
県外からの支援者を含め、兼六公園下に集まった多くの原告とサポーターはマスメディアが注目する中、裁判所まで行進し入場しました。

口頭弁論は午後2時30分から、原告とサポーターで埋め尽くされた205号大法廷で開廷され、最初に原告の志田弘子さん(友禅染作家・七尾在住)が意見陳述しました。
dscn7401h4能登に魅せられて移り住み4人の子どもを育ててきた志田さんは、自らの作品をスライドで紹介しながら、原発に対する思いを切々と語りました。それは決して「理屈」で説得するのではなく、あたかも朗読劇のように、しみじみと来廷者の胸の中に沁み入りました。
たとえば『鬼となりても』という作品(下の写真)は、「私たちは今、静かに怒りを燃やす福島の鬼です。それはそのまま、いつの日かの能登のことであり、各地で国策に口を封じられ、踏みつけにされた者たちの叫びです。…”どうか子どもたちを奪わないで”と髪を逆立て、まなじりをつり上げてかき抱く、母親たちの姿です」と紹介されました。201612%e5%bf%97%e7%94%b0%e3%80%8c%e9%ac%bc%e3%81%a8%e3%81%aa%e3%82%8a%e3%81%a6%e3%82%82%e3%80%8d
最後に志田さんは「幸せを求めて産声を上げる子どもたちに、見えぬ毒に怯(おび)える絶望ではなく、命への希望こそを手渡したい。あきらめないで…そのためにこそ、私たちはいる…」と痛切に訴えました。

今回の口頭弁論で私たち原告・弁護団は第53準備書面を最終準備書面として提出し、この日の結審を求めました。
これに対して被告北陸電力は更なる立証計画を示し、それに基づく審理を求めました。
裁判所の争点整理案が示されてから1年、有識者会合の結論が出てから7ヶ月余、十分な期間があったにもかかわらず、今さら何を新たに主張立証するというのでしょうか?
彼らはまた、有識者会合の委員に構造地質学や岩盤工学、地盤工学の専門家がいないから、報告書は信頼できないと言っていますが、これは全く的外れだと言わざるを得ません。新規制基準を策定する議論の中で、「地震によってどれだけずれたら構造物がもたないか」という工学的な線引きをするのではなく、安全側に立って「直下に活断層があったらアウト」と決めた経緯があります。「直下の断層が活断層であるか否か」を判断する委員が活断層の専門家に「偏っている」のは、当然の話なのです。
最終的に裁判所は原告側に対して、この件(報告書の信頼性)について次回反論するよう求め、今回は結審に至りませんでした。
私たち原告は裁判所が求める主張を早急にまとめ、次回3月弁論であらためて結審を求める、という方針で臨むことになります。

次回期日は2017年3月16日(木)午後2時30分(午後1時30分~進行協議)より開催されます。

口頭弁論終了後、兼六公園下の北陸会館ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など70余人が参加しました。
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左は北陸中日新聞(12/6)、右は朝日新聞(同) ※クリックすると拡大します201612-05%e5%8f%a3%e5%bc%81ashhh201612-05%e5%8f%a3%e5%bc%81chnhh