志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2017年4月25日
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大飯控訴審第11回口頭弁論

4月24日午後1時半より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第11回口頭弁論が行われました。

元原子力規制庁委員長代理の島崎邦彦氏の証人尋問が行われるとあって、傍聴抽選には200人を超える行列が裁判所を取り囲みました。案の定筆者も抽選に外れ、今日の傍聴記は「また聞き」になってしまいました。

開廷中、福井や敦賀からバスで参加した人や、遠く関西や広島から駆けつけた支援者ら80余名が隣の金沢弁護士会館に集まりました。会場では「福井から原発を止める裁判の会」の人たちによる裁判の経過説明、DVDの上映(原子力規制委員会での島崎発言の録画や、脱原発弁護団全国連絡会の『そこが知りたい脱原発裁判』など)、志賀訴訟原告団からの連帯のあいさつ、「反戦タイガース」や「脱原発ソング」の歌唱指導がありました。

みんなが待ちくたびれたころにやっと裁判が終わり、午後5時20分から報告集会・記者会見が始まりました。
集会は、この日から新弁護団長に就任した島田弁護士の「今日は、原発の安全神話を福島事故後に再構築しようとしていた原子力ムラの論拠がもろくも崩れ去った、まさに歴史的な日でした」というあいさつから始まりました。
島崎氏の証人尋問によって、「新安全神話」の根拠となってきた新規制基準が全く役に立っておらず、入倉・三宅方式による地震動予測は大幅な過小評価(2分の1~4分の1)につながる、ということが明らかになりました。電力会社側は原発の安全性を全く立証できない状況に追い込まれ、「裁判が新たなステージに入った」(弁護団長)ことを強く印象づけました。

北陸中日新聞(4/25)※クリックすると拡大します

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。

2017年3月17日
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第22回口頭弁論が行われました

3月16日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第22回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
県外から駆けつけた支援者を含め、兼六公園下に集まった多くの原告とサポーターは「志賀原発を廃炉に!再稼働は認めない!」の横断幕を掲げ、裁判所まで行進しました。

口頭弁論は午後2時30分から205号大法廷で開廷され、最初に原告の宇治谷明美さんが意見陳述しました。
富山県庁に勤め長年労組女性部の活動に携わってきた宇治谷さんは、鎌仲ひとみ監督の映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の自主上映にかかわる中で、持続可能なエネルギーへの転換が可能だという確信を持ちました。未来ある子や孫に何としても原発のない社会を残したいと、福島原発事故から6年、毎週水曜日に北陸電力本社前で「ランチタイムアピール」を行っています。
宇治谷さんは、北陸電力が一番最初に「志賀原発を廃炉に」し、水力をはじめとする自然エネルギーにシフトすれば、企業イメージアップにもつながるはず、と訴えました。

その後、今後の裁判の進行についての協議が行われました。
今回私たち原告・弁護団は第54準備書面を提出し、判決を出すに十分な主張立証が尽くされていると主張しました。本訴訟の争点は敷地内(重要施設直下)に活断層があるかどうかであり、有識者会合評価書においてその存在は明らかになっています。有識者会合のメンバーに専門性がないとか、科学的議論が尽くされていないなどといった被告の論拠はいずれも当らないものであり、こうした反論のために裁判を長引かせることなく、直ちに結審するよう求めました。
これに対して被告側は、有識者会合の評価書は科学的に問題があって証拠価値が低い。今後9通の鑑定書を提出しそれに沿って準備書面を提出する予定である、と審議の継続を求めました。
最終的に藤田裁判長は、「原発差止請求を満たすかどうかはその危険の切迫性が問題となる。原告側は有識者会合の評価書をもって立証できているとし、被告側はその証拠価値を争う構えで、評価書の信用性が争点になっている」とした上で、「被告が相応の主張立証をするということなので、期日は続行したい」と述べました。

次回期日は2017年7月10日(月)午前11時より開かれることになりました。
残念ながら今年度中の結審はなくなり、新たな裁判官の下で「仕切り直し」となります。しかし、最大の争点が原発直下の断層問題であり、有識者会合の結論が変わらない以上、早期結審を求める私たちの方針が揺らぐことはありません。

口頭弁論終了後、金沢弁護士会館2階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など60余人が参加しました。

2017年1月31日
by ok
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島崎邦彦氏の証人尋問が決定―大飯控訴審

1月30日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟(控訴審)の第10回口頭弁論が行われました。

法廷では最初に、福島原発事故で被災し双葉郡富岡町から茨城県に避難している木田節子さんが意見陳述しました。
TVや新聞が「あの日を忘れない」とか「被災地は今」などの特集を組んでいますが、木田さんはそうした番組が「泣いてばかりはいられない」「前向きに生きる」などと締めくくることに疑問を投げかけます。甲状腺ガンなどの健康被害にはふれず、汚染廃棄物が入ったフレコンバッグだらけの町に帰還することだけが福島の復興なのかと。
木田さんは帰還にともなう助成制度を利用して福島で農業を始めた若夫婦の話をしました。二人でイチゴ栽培を始めたものの、県内のスーパーでさえ遠方野菜(西日本や九州など)から買われていくのが実情で、売場に残されたイチゴのあまりの安さ(5円)に絶望して、自死してしまったということです。
木田さんは裁判所に、福島の今が福井の未来にならないように、「あなたの町を次のフクシマにしなかったのは私たちです」と誇れるような判決をください、と訴えました。

原告第30準備書面「250km圏外における危険性」の要約陳述の後、次回以降の進行協議がありました。
その中で、次回4月24日、島崎邦彦さんの証人尋問が開廷時間を繰上げて行われることが決まりました。
島崎さんは原子力規制委員会の元委員長代理で、活断層の専門家です。氏は大飯原発の基準地震動の策定が過小評価に過ぎることを、陳述書で明らかにしました。各電力会社がそれぞれ自らに都合の良い方式を採用して基準地震動を定めている以上、氏の証言の影響は全国の原発訴訟にも波及するものです。

報告集会で弁護団からは、証人尋問を成功させるためにギリギリまで全力を傾注したい、という決意が表明されました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。