志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2018年3月27日
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裁判官を忌避―第26回口頭弁論

3月26日(月)、第26回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。

前回期日で裁判所は「次回は審理の方針を示すことを予定している」と述べていました。原告弁護団は、結審の可能性も含めたさまざまなケースを想定し、それぞれの対応を検討しながら今回の審理に臨みました。
裁判は私たちの呼びかけに応えて多くの原告・サポーターが詰めかけ、傍聴席で裁判所の姿勢に目を光らせる中で、午後2時に開廷されました。

冒頭、加島滋人裁判長は「原子力規制委員会有識者会合の評価書にかかわるデータ拡充は重要であると考えている。施設直下の断層が活断層であるかどうかを判断するには多方面の専門的科学的知見を要するので、規制委員会の判断を待ちたい」と述べました。

3月2日に開催された規制委員会の審査会合では、5本の断層以外にどれを(活断層であるかないかの)評価の対象にするかさえまだ決まっていません。北陸電力は座長の石渡委員から「資料の再構築」(出し直し!)を求められるなど深刻な事態に直面しており、この裁判に資料など出せない状況です。

いつまで待つかもわからない規制委員会(行政)の判断を待たなければ司法の判断を下せないということなら、それは民事訴訟の責任を放棄するにほとんど等しい、と言わなければなりません。
行政が例えば、「あれは活断層だから、志賀原発を動かしてはならない」と判断したらそれでもう終わり、司法判断を待つまでもありません。逆に「あれは活断層じゃない。原発を動かしてもいい」となれば、司法も同じように判断するということです。
要するに「今の裁判体で判決するつもりはない」と明言したも同然です。

岩淵原告弁護団長は直ちにそのことを指摘し、「この裁判は提訴してからもう6年になろうとしている。これは迅速な裁判を受けるというわれわれの権利を著しく阻害するものだ」と述べて、加島裁判長ら裁判官全員を忌避しました。
※「忌避」…裁判官が不公平な裁判を行うおそれがある場合、訴訟当事者の申し立てによってそれら裁判官をその事件の職務執行から排除するもの

これにより審理は一旦中断され、金沢地裁の別の裁判官によって「裁判官忌避」の可否が判断されることになります。
私たち原告団は、今後の進め方について弁護団と十分相談しながら慎重に判断し、5月26日(土)の原告団総会で原告とサポーターのみなさんに提案・協議したいと思います。

口頭弁論終了後、金沢弁護士会館2階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など60余人が参加しました。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

上は北陸中日新聞(3/27)下は朝日新聞(同)

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2018年1月23日
by ok
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25回目の口頭弁論が行われました

1月22日、志賀原発訴訟第25回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
今回はいつもの大法廷ではなく狭い法廷での開催で、傍聴も先着順だったため、事務局メンバーを含め数名が入廷できませんでした。お知らせが直近であったため、多くの原告サポーターのみなさまにご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。

裁判は、ギリギリ一杯の補助椅子に陣取った原告とサポーターであふれかえった中で、原告意見陳述が始まりました。
陳述したのは元教師で現在金沢市議会議員の山本由起子さん。
山本さんは生まれ育った七尾の原風景や米づくり、自然の恵みを語り、ひとたび志賀原発に事故が起ればそんな故郷を失うかも知れないと、この裁判に懸ける思いを述べました。
そして、福島の被災地を巡った調査活動の経験から、「人々から故郷や生業を奪い、家族同然の家畜を殺処分に追い込み、果ては健康や生きる希望までも奪う原発はもはや人類と共存できない」「子どもたちには放射能の危険におびえることなく青空の下で思いきり駆け回り、放射能の心配のない食材ですくすく育ってほしい。この当たり前のことを保障するのは私たち大人の責任です」と訴えました。

前回の口頭弁論で裁判所は、有識者会合の評価書の中にある「今後の課題」(追加調査や資料の提出など6項目)について、これまでの経過と先行きを見てみないと判決は下せないとして、北陸電力にその「工程表」を示すよう求めました。
今回北陸電力は第33準備書面を提出し、「今後の課題」の進捗状況と今後の予定を示しました。その書面および法廷でのやりとりによれば、一通りの調査はすでに終わっていて、調査報告のコメントを受けた再調査の結果も1月中には規制委員会に提出されることがハッキリしました。
私たち原告弁護団は、それらについて学問的に反論するつもりはありません。この裁判は学問的にどちらが正しいか、を争っているのではないからです。
わが国を代表する断層の専門家が敷地の下に活断層があると指摘し、北陸電力はそれを否定する専門家の意見を出してきました。専門家の意見が分かれるようなところに原発を作って、それで安全だと言えますか?裁判所は危険だと明言してください、と私たちは主張しているわけです。
北陸電力が1月中に再調査・再々調査結果を規制委に提出すれば、そう遠くない時期に裁判所にも報告可能で、それで被告の主張立証も尽くされるはずです。原告弁護団は裁判所に次回口頭弁論(3/26)の段階で結審するよう迫りましたが、裁判長は明言を避けました。

口頭弁論終了後、金沢弁護士会館2階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など60余人が参加しました。









・次回口頭弁論…2018年3月26日(月)午後2時~

2017年11月21日
by ok
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証人申請が却下され、結審…大飯控訴審

11月20日、大法廷に入りきれなかった多くの支援者が裁判所正面で「審議を打ち切るな!」「原発より命が大事!」と雨中のシュプレヒコールをあげる中、午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第13回口頭弁論が行われました。

原告側は第34~42の8本の準備書面を提出するとともに、山本孝弘さん(産総研活断層・火山研究の総合主幹…一審で被告が依拠した論文に重大な問題が含まれると指摘)および石井吉徳さん(地下構造の物理探査の専門家…関電の分析結果について、現在主流である三次元探査でなく、古典的な二次元探査であり、合理的でないと主張)のお二人の証人喚問を求めました。
これに対し裁判所は10分間の合議を経た後、いずれの証人も却下し、裁判長は審理の終結を宣言しました。原告の海渡弁護士が裁判官の忌避を申立てましたが、「簡易却下」され、閉廷しました。

その後金沢弁護士会館で行われた記者会見・報告集会で中嶌原告団長は「私は今、言葉を失っている。裁判所は関西電力のサーバント(召使い)に成り下がったのか」と嘆息しました。
また島田弁護団長は「裁判長は安全性に関して何も審査するつもりはないと宣言したようなものであり、フクシマ事故の経験をふまえて二度と原発事故だけは起してはならないという国民の意識をどれだけわかっているのか、怒りをこめて問いかけたい」と訴えました。
※左は朝日新聞(11/21)、右は北陸中日新聞(同)


原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。