志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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2017年1月1日
by ok
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年頭のごあいさつ

年頭にあたり、原告・サポーターのみなさま、志賀原発の廃炉を求めるすべてのみなさまに、一言ごあいさつを申しあげます。
東電福島第一原発事故からまもなく6年になろうとしています。賠償を含めた事故費用が21兆円になるという試算が新たに示され、収束への展望が全く見えない中、安倍政権は避難住民の強制帰還政策を推し進め、さらに再稼働、原発輸出へと突き進んでいます。原子力政策の破たんを多くの国民は見抜いていますが、内閣の高支持率がアベの暴走を許しています。
こうした中、志賀原発を巡って、昨年は有識者会合で敷地内断層の評価がまとまり、廃炉に向けて大きく前進した年でした。原告・弁護団はさっそく評価書を証拠として提出し、早期の結審を求めました。多くのみなさまも一気に勝訴判決へと進むことを期待されたのではないでしょうか。
しかし、残念ながら12月5日の第21回口頭弁論の時点では、結審の道筋は見えていません。引き延ばしを図る被告・北陸電力、慎重を期す裁判所に対し、あと一歩追い込むことができていません。
全国的には一進一退の脱原発訴訟の中で、裁判で原発を廃炉にする先例として志賀訴訟への期待が一段と高まっています。次回以降の展開に不透明さが増す中ではありますが、原告団としてはいかなる展開になろうと勝訴判決獲得めざして弁護団を支え、また世論のより一層の喚起に努めていかなければなりません。
昨年秋には雨水流入による漏電・地絡事故もあり、北電はますます世論からも規制委員会からも見放されつつあるように見えます。しかし、彼らは決して再稼働をあきらめてはいないということを、私たちは肝に銘じておかなければなりません。
今年は志賀(能登)原発の計画が公表されて50年という大きな節目の年、なんとしても廃炉への展望を切り拓きたいと思います。志賀訴訟へのさらなるご支援・ご協力をお願い申しあげます。

 2017年元旦
志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団長 北野 進

2016年10月20日
by ok
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大飯控訴審を傍聴しました

10月19日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、大飯原発差止訴訟控訴審の第9回口頭弁論が行われました。 201610-19%e5%a4%a7%e9%a3%af%e6%8e%a7%e8%a8%b4%e5%af%a9%e5%8f%a3%e5%bc%81%e2%91%a8-002hh

福井からバスで乗り込んだ原告や各地からの支援者で満席となった法廷で、弁論の更新がありました。
民事訴訟法に「裁判官が代わった場合には、当事者は従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない」(第249条②)とあり、これを「弁論の更新」といいます。裁判官が交代したとき、本来ならば証拠調べを最初からやり直すべきですが、それはあまりに煩雑なので、口頭弁論の結果を報告させる「更新手続」で済ませています。社会的関心の高い大規模訴訟では、新しい裁判官にもこれまでの審理経過を理解して正しい判断をしてもらうため、相当の時間を取ってこれまでの主張の概要を説明することが多いようです。
原告弁護団の5人がパワーポイントを使って、約2時間かけて更新弁論を行いました。
(1)「福島原発事故の深刻な被害について」島田弁護士、(2)「大飯原発における基準地震動の過小評価について」甫守弁護士、(3)「新規制基準の不合理性・なぜ若狭に15基もの原発がつくられたのか」鹿島弁護士、(4)「津波の危険性」笠原弁護士、(5)「本件原発の不要性について」円居弁護士。
いずれもこれまでの法廷で主張してきた内容ですが、新しい裁判官のみならす、原告・支援者も本訴訟の意義を復習することができました。「わが意を得たり」の陳述に、終わるたびに傍聴席から大きな拍手が起りました(この裁判長は拍手を制止しません)。

その後、次回以降の審理の方針をめぐる協議があり、そこで大きな動きがありました。
裁判長が「裁判所としては、地震からの安全性がいちばん重要な論点だと考えており、基準地震動の問題に大きな関心を持っている」と述べた上で、「この問題に関する専門家の証人を最低一人は調べたい」と表明しました。
そして3人の証人尋問を求めていた原告弁護団に「一人に絞るとすれば…」と尋ね、原告側は元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏の採用を求めました。証人の採否は次回期日(1/30)に最終決定されますが、裁判長は次々回日程を4月24日(予備26日)に決め、原告弁護団に「島崎氏の都合を確認してほしい」と要請しました。

閉廷後、金沢弁護士会館で記者会見・報告集会が開催されました。
201610-19%e5%a4%a7%e9%a3%af%e6%8e%a7%e8%a8%b4%e5%af%a9%e5%8f%a3%e5%bc%81%e2%91%a8-008hhその中で原告弁護団の海渡弁護士は、島崎氏を証人として喚問することがほぼ決まったことを高く評価し、「国の要職にあった氏の証言を裁判所も無視できないだろうし、被告も対応上証人を申請するかも知れない。この裁判はたいへん緊迫した状況になってきた」と述べました。

原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。