7月14日、志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第22回口頭弁論が富山地裁で行なわれました。この日の気温は35度を超えて熱中症注意報が発令される中、裁判所近くに集まった原告や支援者、弁護団らは横断幕を掲げて裁判所まで元気に行進しました。
午後3時から始まった裁判ではまず、原告団長・和田廣治さんの陳述書に対して原告本人尋問が行なわれました。
和田さんは原告弁護団事務局長の坂本弁護士の尋問に応えて、①被告北陸電力取締役らが「再稼働ありき」という考えから、「志賀原発を再稼働したときの危険性や莫大なコストをほとんど検討していなかった」こと、②能登半島地震による5.2mの隆起のすさまじさを裁判官にわかってもらうため、「天井に届く測量棒は危険物」だとして許可しない裁判所に対して、メジャーで裁判所の天井を突き抜けるほどの隆起があったことを実感させ、③北電株主総会において、「馬鹿野郎、引っ込
め!ただじゃおかんぞ!」などの怒号・罵声・野次があり、女性の株主がPTSDになってその後何年も総会に参加できなかったほど酷かったこと、④この裁判の途中で亡くなった3人の原告(多名賀さん、小嵐さん、瀧口さん)の無念の思い、などをしっかりと陳述しました。
この尋問に対して、被告代理人は数分間の協議を経た後、「被告からの尋問は行なわない」と表明しました。被告側が反証することは難しかった上に、反対尋問をしたら、和田さんに言い返されることが怖かったのかも知れません。
この後、裁判所と原告・被告双方の代理人との間で進行協議が行なわれた結果、原告弁護団は金井 豊氏の被告本人尋問は困難との判断に至りました。
というわけで、当初9月1日に金井尋問を行なう予定でしたがそれが無くなり、10月1日に最終弁論を行なって結審、そして年度内に判決という可能性が高くなりました。