3月17日、志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第21回口頭弁論が富山地裁で行なわれました。みぞれ交じりの雨の中、裁判所近くに集まった原告や支援者、弁護団は横断幕を掲げて裁判所まで行進しました。
午後3時から始まった裁判では、被告側が事前に提出した「訴訟記録の閲覧制限申立て」についての激しい応酬からスタートしました。
原告側が今回提出した第41準備書面は、被告が提出した2011年3~4月の取締役会議事録の一部を検討して、取締役会での議論が全く不十分であることを具体的に指摘したもので、今回法廷でもスライド付で要約陳述する旨通告していました。
被告からの申立ては「第41準備書面のスライド5~9では取締役会議事録を引用しているので、これを上映すると閲覧制限をした意味がなくなる(だから控えてほしい)」というものです。
これに対して私たちは「閲覧制限に対する意見書」を提出、同準備書面のすべてが営業機密とは到底言えない上に、被告らによってリリースされたりWebサイトで公開されたりしていることを指摘し、「営業機密には該当しない」と主張しました。
裁判所は最終的に同書面のスライド5と6だけを表示しないように配慮することを原告に要請し、原告はこれに従って川村弁護士が要約陳述しました。
次に第42準備書面を坂本弁護士が要約陳述しました。こちらは能登半島地震について取締役らが調査検討してもし避難できないことが最終的にわかったのであれば稼働してはいけないし、そういう調査検討をしなかったのならやはり、その場合も稼働してはならないと主張した書面です。
もう一つの重要事項は、原告が「今後の立証と争点整理について」という意見書を提出し、「原告はこれで主張を尽くしたので、次回以降は人証を調べて結審する」ことを求めたことです。
私たちが求めている人証は原告和田廣治さんと被告金井豊氏の本人尋問です。和田さんは北陸電力の株主総会に毎回出席していて、被告らの善管注意義務違反を最も知る原告です。また金井被告は2011年福島原発事故当時の常務取締役であり、取締役会でどのような根拠に基づきどのような議論をして志賀原発の再稼働を決定したかを最も詳細に知る人物だからです。
閉廷後の進行協議では、(裁判所によると)被告側はこの金井氏の本人尋問に大反対したということです。
裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。
次回の裁判は7月14日(月)、次々回は10月1日(水)、いずれも午後3時から(午後2時に繰上げの可能性あり)同地裁で開かれます。