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取締役会議事録をめぐって、熾烈な攻防

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12月18日、志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第20回口頭弁論が富山地裁で行なわれました。冷たい雨の中、裁判所近くに集まった原告や支援者・弁護団は横断幕を掲げて裁判所まで行進して入廷、裁判は午後3時から始まりました。

最初に和田廣治原告団長が意見陳述を行ないました。
能登半島地震直後から半島北部で海岸が大きく隆起したことが報道され、最大のものが輪島市鹿磯漁港の4mとされています。
和田さんは珠洲の北野原告団長らと実際に海岸の岩場や防波堤などを巡って隆起の状況をその目で確かめました。その結果、鹿磯漁港のさらに北の深見漁港で5.2mの隆起を計測したことを明らかにし、スライドでその写真を上映しました。5mを超える隆起は未だに国や石川県、輪島市を始め研究機関や水産庁からも発表がなく、10月31日の原子力規制委員会適合性審査資料(北陸電力作成)でも、「輪島市西部で最大約4m」と記載されています。
和田さんは裁判所に対して、「ぜひとも能登半島地震の現場を直接見ていただき、志賀原発に迫りつつある地震などの危険性を直視」するよう求めました。

今回、原告側が求めていた「取締役会議事録」の一部を被告側が提出しました。それに対する「攻防」がこの日のハイライトです。
開示されたのは福島原発事故後の2011年3月と4月に行なわれた取締役会の議事録だけで、「地震対策と津波対策をして、再稼働に向けて進む」ということを議決したという内容です。原告側が求めた議事録はこの他に、②新規制基準ができて適合性審査を申請した2014年の時点、③規制委有識者会合で敷地内断層の活動性が否定できないとされた2016年の時点、④能登半島地震後の時点ですが、この3つについて議事録は提出されませんでした。
裁判長は「事故の危険性、住民や会社への影響、原発以外のエネルギーの検討などの議論を一番詳細にしたのがこの2011年の時点ということですか?」と質し、被告側は「そうです」と答えました(その後、「被告らの考え方を伝える上で一番わかりやすいものを出した」と修正)。
被告側が「本訴訟は取締役らの善管注意義務があったか否かが争点であり、規制委で認められた場合のみ稼働するので、取締役会の議事録提出は意味がない」と述べたのに対して、原告側は「金沢訴訟と争点は違うが、事故を起さないようにしなければならないことは同じ。新規制基準に基づく申請を行なった際に、取締役会で議論を行なったはずであり、少なくともその議事録は出すべきだ」などと反論し、激しい応酬が展開されました。
裁判所は最終的に、原告に対して「今回証拠提出された議事録と本日の弁論でのやりとりを踏まえ、必要な主張をする」よう求めました。また、原告意見陳述の内容を証拠化してもいいのではないか、という見解を示しました。
また実地検証については、これまでに原告側が撮影した動画などの提出を求め、それを見て検証の要否を検討する、と明言しました。

裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

次回の裁判は2025年3月17日(月)、次々回は7月14日(月)、いずれも午後3時から同地裁で開かれます。

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