12月23日、第35回口頭弁論が金沢地方裁判所205号法廷で行われました。
この時季の金沢には珍しい快晴の空の下、原告・サポーターらは午後2時15分に石川門下に集まり、志賀原発の廃炉を訴える横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。
傍聴席は全36席。今回も希望者の先着順となり、法廷前の廊下に長い行列ができました。多くの原告・サポーターが駆けつけたため、足りなくなった傍聴席は原告団長らが急遽弁護団席に移って確保しました。
今回原告意見陳述を行ったのは新明 宏さん。
高校、養護学校で理科や農業科の教師をしてきた新明さんは、原子力の活用例としてジャガイモの発芽抑制効果などを教えてきましたが、1986年4月に発生したチェルノブイリ原発事故で、自分が教えてきた認識の甘さを痛感したといいます。
そして2011年3月の福島原発事故によって、未だに故郷に帰ることができない人たちや、心をこめて育ててきた農作物を廃棄しなければならなかった生産者の人たちに思いを寄せ、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を被災した人に最優先に確保すべきだと訴えました。新明さんは最後に、今年に入って珠洲を震源とした地震が60回以上発生していることを指摘し、過ちを再び繰り返さないために、本訴訟を早期に結審することを求めました。
被告北陸電力は事前に提出した「上申書」で、原子力規制委員会の適合性審査の状況や11月18~19日に行なわれた現地調査について報告しました。
これを受けて裁判長は「規制委員会の審査の推移を見守るという審理方針を、従前の通り維持する」と表明し、次回日程を決めただけで、わずか17分で今回の裁判は終わりました。
口頭弁論終了後、北陸会館5階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など約40人が参加しました。
次回口頭弁論は来年4月28日(木)、午後2時から開かれます。