12月5日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第21回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
県外からの支援者を含め、兼六公園下に集まった多くの原告とサポーターはマスメディアが注目する中、裁判所まで行進し入場しました。
口頭弁論は午後2時30分から、原告とサポーターで埋め尽くされた205号大法廷で開廷され、最初に原告の志田弘子さん(友禅染作家・七尾在住)が意見陳述しました。
能登に魅せられて移り住み4人の子どもを育ててきた志田さんは、自らの作品をスライドで紹介しながら、原発に対する思いを切々と語りました。それは決して「理屈」で説得するのではなく、あたかも朗読劇のように、しみじみと来廷者の胸の中に沁み入りました。
たとえば『鬼となりても』という作品(下の写真)は、「私たちは今、静かに怒りを燃やす福島の鬼です。それはそのまま、いつの日かの能登のことであり、各地で国策に口を封じられ、踏みつけにされた者たちの叫びです。…”どうか子どもたちを奪わないで”と髪を逆立て、まなじりをつり上げてかき抱く、母親たちの姿です」と紹介されました。
最後に志田さんは「幸せを求めて産声を上げる子どもたちに、見えぬ毒に怯(おび)える絶望ではなく、命への希望こそを手渡したい。あきらめないで…そのためにこそ、私たちはいる…」と痛切に訴えました。
今回の口頭弁論で私たち原告・弁護団は第53準備書面を最終準備書面として提出し、この日の結審を求めました。
これに対して被告北陸電力は更なる立証計画を示し、それに基づく審理を求めました。
裁判所の争点整理案が示されてから1年、有識者会合の結論が出てから7ヶ月余、十分な期間があったにもかかわらず、今さら何を新たに主張立証するというのでしょうか?
彼らはまた、有識者会合の委員に構造地質学や岩盤工学、地盤工学の専門家がいないから、報告書は信頼できないと言っていますが、これは全く的外れだと言わざるを得ません。新規制基準を策定する議論の中で、「地震によってどれだけずれたら構造物がもたないか」という工学的な線引きをするのではなく、安全側に立って「直下に活断層があったらアウト」と決めた経緯があります。「直下の断層が活断層であるか否か」を判断する委員が活断層の専門家に「偏っている」のは、当然の話なのです。
最終的に裁判所は原告側に対して、この件(報告書の信頼性)について次回反論するよう求め、今回は結審に至りませんでした。
私たち原告は裁判所が求める主張を早急にまとめ、次回3月弁論であらためて結審を求める、という方針で臨むことになります。
次回期日は2017年3月16日(木)午後2時30分(午後1時30分~進行協議)より開催されます。
口頭弁論終了後、兼六公園下の北陸会館ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など70余人が参加しました。
One Comment
Leave a reply →