7月27日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第15回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
裁判は午後1時30分に開廷され、最初に原告の山添和良七尾市議が、志賀原発30km圏の住民の声を代弁する形で意見陳述陳述しました。
山添さんは、堂下原告団事務局長の地元のすぐ近く、旧志賀町稗造(ひえづくり)地区(七尾市中島町)に住んでいますが、2011.3.11フクシマ事故の前後では原発に関する「常識」が180度変わったといいます。
原発は危険きわまりないもの、ひとたび事故を起すと筆舌に尽くしがたい被害を起します。「故郷に帰りたくても帰れない」という叫びを聞くたびに、「明日はわが身」という思いを強くしたと訴えました。
山添さんは北電との安全協定の見直しにふれ、羽咋市、中能登町と連携して立地自治体と同様の権限を求めていくことを表明しました。
次にこの4月から原告弁護団に加わったばかりの小島弁護士が、第45準備書面「世論と社会通念」について要約陳述しました。
小島さんは新聞社やTV局などの各種世論調査の結果を示し、脱・減原発を支持する国民の意思が、もはや一過性のものではなく、社会通念ないし社会観念として定着したことを明らかにしました。また新たな規制基準に基づく原発再稼働についても国民の大多数が反対しており、現行の安全管理体制が全く信頼されていないことも浮き彫りにしました。
小島さんは最後に、裁判所はこれら新しく定着した社会通念(社会観念)を前提とした判断を行わなければならない、と訴えました。
続いて宮本弁護士が第46準備書面「敷地内断層」について要約陳述しました。
宮本さんは7月17日に出された原子力規制委員会専門家会合の「評価書案」を要約し、裁判所に対して、中身をよく見て冷静に判断すれば、結論は誰の目にも明らかだと訴えました。
原告弁護団からはこの他に第42準備書面「富来川南岸断層」、第43準備書面「震源を特定せず策定する地震」、第44準備書面「原発の必要性」を提出し、被告の「反論」に対する再反論を行いました。
被告北陸電力からは「敷地内断層」についての書面が提出され、規制委員会の5月の評価会合について、「有識者はスケッチと写真という限られた情報に基づいて推論を述べているにすぎない」などと相当ズレた認識を披瀝しました。
最後の進行協議では、裁判長から「この訴訟には多くの争点があるが、それぞれどういう主張をしているのか、かみ合っているのかいないのか、そのことについて整理案を出したい。それを基に、今後の証人尋問など必要性を考えていきたい」という意向が表明されました。
口頭弁論終了後、兼六園下の北陸会館で報告集会が開催され、原告・サポーター、マスコミ関係者など80余人が参加しました。
「福井から原発を止める裁判の会」の奥出さんからも、大飯訴訟控訴審の状況について報告があり、連帯してたたかう決意表明がなされました。
次回口頭弁論は10月15日(木)、次々回は2016年1月25日(月)、いずれも午後1時半から同地裁で開かれる予定です。引き続きご支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。