9月22日、金沢訴訟第46回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
記録的な猛暑がようやく終り、爽やかに晴れた空の下、原告・サポーターらは午後1時半に石川門下の白鳥路利家像前に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。
今回の原告意見陳述は山本 佳代子さん。
昨年3月末まで中学校の社会科教師だった山本さんは、生徒が日本や世界のさまざまな課題に目を向けて、自分なりの課題解決方法を考える学習を大切にしてきました。
山本さんは「日本のエネルギーと発電」についての授業で、火力・水力・原子力・太陽光・風力・バイオマスなどの中から生徒たちが選んだ発電方法とその理由を語った中で、「どの発電方法にも課題があるが、一番解決可能な課題のある発電方法を選ぶのがいい」という、ある生徒の指摘に注目します。
山本さんはこの日裁判所に対して、「発電方法は環境への配慮と安全性を重視すべきです。加えて、解決が不可能な課題を持つ発電方法は選ぶべきではありません。核燃料デブリ、放射性廃棄物、事故発生時の避難など、原子力発電は数多くの深刻な課題を抱えています。裁判所は、これらの課題解決の見込みが立たない志賀原子力発電所の運転を差し止め、廃炉にしてください」と力強く訴えました。
今回原告弁護団は、第61準備書面を提出し、法廷では中田弁護士が61準備書面(原子力防災計画の実効性欠如に関する補充主張)の要約陳述を行ないました。
その中で中田さんは、「能登半島地震で志賀原発周辺の住民が避難できないことが誰の目にも明らかになった」と述べ、「避難できない原発が稼働してもいいのか?」ということが今問われている、と鋭く指摘しました。
その後、裁判所と原告・被告との間で今後の進行について協議が行なわれ、被告側は次回までに第61準備書面に対する反論を提出すること、そして原告側は今回の主張の補充に加え、できれば被告の準備書面(37)に対する反論も検討すると述べました。
この日の裁判は、次回期日を、来年1月19日(月)午後2時から開催することを確認して約45分で終了しました。
口頭弁論終了後、原告・サポーター、弁護団、報道陣らは隣の金沢弁護士会館会館2階ホールに移って報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約40人が参加しました。
この集会の中で原告団長の北野 進さんは現在準備を進めている「第三次訴訟」について報道陣の質問に答え、全国から新たに50人以上が原告となり、11月ごろに提訴する予定であることを明らかにしました。
左北陸中日新聞、右朝日新聞
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