志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

〒920-0024 金沢市西念3-3-5 フレンドパーク石川5F TEL (076)261-4657

2025年3月18日
by ok
0 comments

いよいよ大詰め、本人尋問~結審へ

3月17日、志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第21回口頭弁論が富山地裁で行なわれました。みぞれ交じりの雨の中、裁判所近くに集まった原告や支援者、弁護団は横断幕を掲げて裁判所まで行進しました。

午後3時から始まった裁判では、被告側が事前に提出した「訴訟記録の閲覧制限申立て」についての激しい応酬からスタートしました。
原告側が今回提出した第41準備書面は、被告が提出した2011年3~4月の取締役会議事録の一部を検討して、取締役会での議論が全く不十分であることを具体的に指摘したもので、今回法廷でもスライド付で要約陳述する旨通告していました。
被告からの申立ては「第41準備書面のスライド5~9では取締役会議事録を引用しているので、これを上映すると閲覧制限をした意味がなくなる(だから控えてほしい)」というものです。
これに対して原告は「閲覧制限に対する意見書」を提出、同準備書面のすべてが営業機密とは到底言えない上に、被告らによってリリースされたりWebサイトで公開されたりしていることを指摘し、「営業機密には該当しない」と主張しました。
裁判所は最終的に同書面のスライド5と6だけを表示しないように配慮することを原告に要請し、原告はこれに従って川島弁護士が要約陳述しました。
次に第42準備書面を坂本弁護士が要約陳述しました。こちらは能登半島地震について取締役らが調査検討してもし避難できないことが最終的にわかったのであれば稼働してはいけないし、そういう調査検討をしなかったのならやはり、その場合も稼働してはならないと主張した書面です。

もう一つ特記すべきは、原告が「今後の立証と争点整理について」という意見書を提出し、「原告はこれで主張を尽くしたので、次回以降は人証を調べて結審する」ことを求めたことです。
私たちが求めている人証は原告和田廣治さんと被告金井豊氏の本人尋問です。和田さんは北陸電力の株主総会に毎回出席していて、被告らの善管注意義務違反を最も知る原告です。また金井被告は2011年福島原発事故当時の常務取締役であり、取締役会でどのような根拠に基づきどのような議論をして志賀原発の再稼働を決定したかを最も詳細に知る人物だからです。
閉廷後の進行協議では、被告側はこの金井氏の本人尋問に大反対したということです。

裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

次回の裁判は7月14日(月)、次々回は10月1日(水)、いずれも午後3時から(午後2時に繰上げの可能性あり)同地裁で開かれます。

2025年3月17日
by ok
0 comments

「志賀原発は廃炉だ!県民集会」を開催

3月16日(日)午後1時半より、金沢市ものづくり会館2階研修室に約130人が集まり、県民集会が開催されました。集会には多くの県民が詰めかけ、次から次へとイスを追加するのに事務局は大忙しでした。
集会は第1部として、東電福島原発事故の取材を続けている吉田千亜(ちあ)さんの「福島原発震災から学ぶ能登半島地震」と題した講演から始まりました。吉田さんは『孤塁―双葉郡消防士たちの3.11』(岩波書店)で日本ジャーナリスト会議賞などを受賞したフリーライターです。
吉田さんは「原発震災が起ったら、こんな悲劇が待っている」ということを、消防士としての使命感と被曝の恐怖との葛藤の中で、家族への遺書まで書いて福島第一原発の構内に入っていったことを、生々しく丹念に紹介しました。

第2部は「原発震災を考える―あのとき志賀原発の事故が重なっていたら―」と題したパネルディスカッションです。原告団長の北野進さんがコーディネーターを務め、珠洲の狼煙地区で区長を務めている糸矢敏夫さん、輪島で中学校教師をしている鳥井一芳さん、そして吉田さんもパネラーに加わりました。
私たちは大きな地震に原発災害が重なって「原発震災」になったらもうそれで終わり、だから「廃炉しかない」とスローガン的に口にします。それはその通りなのですが、北野さんは原発震災という言葉で想像力が止まってしまっているのではないか、と指摘します。
糸矢さんはもし珠洲原発ができていたらどうなっていたか、狼煙地区は中部電力の予定地からわずか1.5km。そこに住民がいて区長に何ができたのか。逃げ道を探してもどこも通行止め、とりあえず家の中に隠れようとしても半分以上潰れている。糸矢さんは「情報を知らない方が幸せかも知れない」と語りました。鳥井さんも自宅(穴水町)で被災して正月休みが明け、学校への出勤の指示を受けたときの葛藤を語りました。
会場は、参加者が「原発震災」についての議論を深め、志賀原発のリスクをあらためて問う場になりました。

 

 

北陸中日新聞(3/17)
※クリックすると拡大