志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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避難は不可能―廃炉しかない

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志賀原発株主差止め訴訟(富山訴訟)の第17回口頭弁論が3月4日、富山地裁で行なわれました。朝からの雨は上がったものの冷たい風が吹く中、裁判所近くに集まった原告や支援者、弁護団は横断幕やのぼり旗を掲げて裁判所まで行進しました。

最初に、富山訴訟原告団長の和田廣治さんが意見陳述しました。和田さんは1月1日に発生した能登半島地震で4mもの隆起を伴う大規模な地殻変動が起こり、家屋の倒壊、道路や崖の損壊が半島全域で発生し、多数の住民が長期間にわたって孤立状態におかれたことを振り返りました。もし志賀原発が運転中だったら大事故が発生し、住民は避難することも自宅に留まることもできず、深刻な被曝が避けられなかったところです。
和田さんは北陸電力松田社長が1月31日、志賀原発再稼働方針の継続を表明したことに触れ、今回の地震の全体像も未確定、周辺断層への影響も未調査のまま、しかも住民避難が不可能な現実が明らかになったのに言語道断だと述べ、裁判所にこんな経営陣の歪みを正すためにも、志賀原発の運転差止めにつながる判決を求めました。

今回原告は4本の準備書面と被告意見書に対する反論書を提出しました。法廷では第35準備書面(能登半島地震と志賀原発の危険性)を鹿島弁護士が、第36準備書面(能登半島地震の被害状況と避難計画の不備)を北島弁護士がパワーポイントを使って要約陳述しました。
北陸電力は能登半島の断層の連動を90km余りしか想定しておらず、原子力規制委員会もそれを追認していましたが、能登半島地震では150kmもの断層が連動しました。5km以上離れた断層は連動しないという地震学の常識=「5kmルール」も今回は通用しませんでした。鹿島弁護士は今回連動した断層の北東と南西の断層にに大きなヒズミが溜まっており、今回の地震に続き、さらに大きな「本震」が来る可能性があることも指摘しました。
また北島弁護士は今回の地震で志賀町だけでも6千軒以上の住宅被害があったことや、多くの孤立集落の発生があったことを踏まえ、今回の地震と同様なことを想定した訓練などやりようがないと述べて、原発をやめるしかないことを訴えました。

今後の進行について原告弁護団は、地震についてのより詳しい情報を踏まえ、地震の規模やメカニズムについて補充の主張を準備していることを伝えました。裁判所はそれを5月22日を目処に提出するよう求め、原告側もこれを了承しました。

裁判終了後、原告や弁護団・支援者らは弁護士会館に移動し、報告集会を開催しました。

次回の裁判は2024年6月5日(水)、次々回は9月30日(月)、いずれも午後3時から同地裁で開かれます。

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