12月18日、第41回口頭弁論が半年ぶりに金沢地方裁判所で行われました。
時折雪交じりの冷たい雨が降る中、原告・サポーターらは午後2時半に石川門下の白鳥路利家像前に集まり、横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。
今回原告意見陳述を行ったのは、社民党石川県連副代表で内灘町議の清水 文雄さん。
清水さんは毎年石川県原子力防災訓練の監視活動を続けてきた経験から、今年の訓練も「事故の影響を過小評価し、最悪の事態・不都合な事態を避けるシナリオが繰り返された」と批判し、「このような訓練では、住民の命と生活を守る事はできない。最高の防護対策は志賀原発運転を中止して廃炉にすることだ」と指摘しました。そして、政府や業界に忖度することなく、司法の独立性を発揮して運転差止めの判決を下すよう裁判所に求めました。
今回被告代理人は、準備書面(34)とそれに関わる証拠説明書を提出しました。今年3月3日、原子力規制委員会の審査会合において「志賀原発の敷地内断層はいずれも将来活動する可能性のある断層には該当しない」と判断されたことについて、その判断に至った審議過程を含めてこれまでの主張を補充する総括的な主張を展開しました。
裁判長の「法廷で何か主張することはありませんか」との問いに、被告側は「書面で提出した通り」と述べ、とくに弁論は行ないませんました。
裁判長は原告にこれに対する反論を求め、原告側は来年4月中に反論の準備書面を提出することを表明しました。
口頭弁論終了後、原告・サポーターらは金沢弁護士会館2階ホールで報告集会を開催、マスコミ関係者を含め約40人が参加しました。
その中で北野原告団長は、北陸電力が規制委から、福浦断層と兜岩沖断層がいずれも志賀原発から5km以内にあって連動する可能性を検討するよう求められていることを指摘し、敷地内断層は本当に大丈夫なのか、私たちの素朴な疑問を大切にすべきだと訴えました。
また岩淵弁護団長は、仙台高裁が女川原発の避難計画の実効性について審理する方針を示したことに触れ、「次回から敷地内断層についても反論していくが、原発訴訟について議論すべき争点は山ほどある」と指摘し、ともにたたかっていく決意を表明しました。
その後、富山訴訟の和田原告団長から富山地裁での激しい応酬が紹介され、また9月に1都5県の151人が福島地裁に提訴した「汚染水海洋放出差止め訴訟」について、原告の一人である浅田正文さんがパワーポイントを使って提訴の意義や経過を詳しく説明しました。
次回の口頭弁論は来年5月13日(月)、午後3時から開かれます。