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七尾市からの回答についての見解

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「原子力防災計画・避難計画に関する質問書」に対する七尾市からの回答

1.7月上旬に質問書を提出し、問1、2については7月25日の市長交渉の場で、茶谷市長から直接回答を受けた。問3以降の防災問題に関する質問に対しては、当日は意見交換のみとし、私たちの問題意識を確認の上、あらためて文書で回答するとのことだった。質問書提出から約4ヶ月を経た11月10日、回答書を受け取った。質問項目は多岐にわたるとはいえ、七尾市が策定した防災計画、避難計画に対する問いである。丁寧な回答に感謝しつつも、これでは七尾市民からの問い合わせにもスピーディに対応できず、防災体制への不安、不信にもつながるということをまず指摘したい。

2.安全協定については、武元元市長、不嶋前市長と同様、引き続き志賀町と同等の協定を求めていく姿勢を明確に表明された。私たちとしても大いに評価し、締結に向け、後押しをしていきたい。ただし、志賀原発が停止中であっても、協定の交渉中断の理由にはならない。近隣市町との連携を維持しつつ、早急な協議の再開を期待したい。

3.問3以下の回答については、それぞれ疑問点を残している。今後もこのような交渉を継続することを基本的スタンスとしつつ、以下7点に絞って課題を指摘する。

(1)問3について
「市民に被ばくをさせないことを前提として考えている」のならば、まずはその大前提を計画に明記し、そのための具体的取り組みを明らかにすべき。現在の避難計画は低減目標すらない、「被ばくやむなし」計画である。

(2)問4について
「状況に応じた避難」は基本的には正しいと考えるが、実際の運用は難しい。場合によっては家族が奥能登方向と金沢、野々市方向へ分かれて避難するという事態も起こりうる。課題をさらに整理するよう求めていきたい。

(3)問5について
「福島県の対応を参考に」とのこと。数年からさらには10年を超えて依然避難を強いられている避難者も多くいること、七尾市でもそうした事態を想定していることをまずは市民に周知することが大切である。その上で、生活支援や各種制限措置の解除については「福島県の対応」を参考にはしても、安易に手本とすることには警鐘を鳴らしたい。自主避難者への冷酷な対応、被ばく限度年20mSv を基準とした強制帰還政策、損害補償も不十分など、避難者の苦悩に福島県はどこまで対応できているのか、しっかり検証する必要がある。

(4)問7について
児童生徒の引き渡しでは、学校周辺の大変な渋滞が想定される。「警戒事態」ですぐに対応するのは正しいが、バスの確保も含め課題は多い。甲状腺被ばく線量モニタリングに関しては、国はまだマニュアル作成作業中であり、現在、実施体制は整えられていないことを確認しておきたい。 

(5)問9について
多くの観光客、宿泊客が訪れる七尾市ならではの課題について、事業者任せ、国や県任せにすることは許されない。現状と取り組むべき課題について明らかすることを求め、私たちも具体的対策がどれだけ実行されているか確認していきたい。 

(6)問10について
「検討を行う」「現状把握に努める」とのこと。引き続き今後の対応を注視していきたい。 

(7)問13について
市内全域に避難指示が出される可能性があるのに、なぜ庁舎を想定しないのか。行政は福島事故前と同様、本音ではそのような事故は起きないという「安全神話」に縛られているのではないか。防災業務従事者の被ばく問題も同様。住民の安全確保が最優先といえば聞こえはいいが、防災業務従事者の防護対策を軽視しては、防災体制は機能しない。 

4.原子力防災、安全協定に関する課題は今回の質問書の項目で尽きるわけではない。今回提起した課題をさらに深掘りし、残された他の課題についても引き続き提起していきたい。住民の安全を守るための多くの課題が山積する中、再稼働の議論が先走りすることは許されない。

 

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