8月25日、原告団は県内4団体とともに羽咋市役所を訪れ、「原子力防災計画・安全協定に関する質問書」を提出しました。未だ回答していない志賀町、先月の七尾市に続き3箇所目の自治体訪問です。
当日同行したのは、原告団のほか「さよなら!志賀原発ネットワーク」や石川県平和運動センター、原水禁県民会議、社民党県連の代表に加え、地元羽咋市や宝達志水町の住民、浅野羽咋市議を含めて計12名。残念ながら岸博一市長は出席せず、山本総務部長など3名の担当職員が約1時間20分にわたって対応しました。
予め送付された「質問書」に市担当者が口頭で回答し、それに対して参加者が質問や意見、要望を述べる形で進行しました。
最初に環境安全課長が「原発は一酸化炭素を排出しないため、地球温暖化防止の観点からも優れている」と、どこかで聞いたような話を始めたので、参加者一同びっくりしました。
しかし引き続いて同課長は、山辺前市長が北陸電力に求めた「再稼働の事前了解など、立地自治体である志賀町と同等の権限を持つ安全協定の締結を七尾市・中能登町と共同で求めていく方針は岸市政でも変わらない」と回答しました。
原水禁の中村さんは「2011年3月まで、世界でも日本でも驚くような原発の安全神話がまかり通ってきた。騙(だま)されてきた結果が福島原発事故だ」「原子力規制委員会のトップですら、新規制基準をクリアしたから安全だとは言っていない」と反論しました。
原告団の北野さんは「国や県の防災計画は、ある程度の被曝を前提とした避難計画。それにしたがって市が『被曝やむなし』とするなら、ちゃんと市民に説明すべきだ。『羽咋市民の安全が守れないので、再稼働しては困る』とハッキリ言うために、同意権を獲得していくことが重要だ」と指摘しました。
地元羽咋市在住のIさんは津波に対する市のハザードマップを示しながら「原発事故の際の避難計画についても、安定ヨウ素剤の配布・服用を含めてこれくらい詳細なパンフレットを作って周知してほしい」と求めました。
福島から金沢に避難してきた原告団の浅田正文さんは、11年前の避難の際に戸惑い途方に暮れた経験を具体的に語り、「万一の際の自治体職員の注意喚起が大切であり、それが地域住民の運命を左右する」とを訴えました。
市職員のみなさんが身を乗り出して聴いていたのが印象的でした。