9月13日(月)、第34回口頭弁論が金沢地方裁判所205号法廷で行われました。
秋晴れの空の下、原告・サポーターらは午後1時に石川門下に集まり、早期結審を訴える横断幕やアピール板を掲げて裁判所まで行進しました。
コロナ感染対策のために減らされた傍聴席は全37席。今回も先着順となり、法廷前の廊下に長い行列ができました。
今回原告意見陳述を行ったのは冬爪よしえさん。
冬爪さんは3.11福島原発事故の衝撃的な映像を見て「何の迷いもなく」原告団に加わりました。しかし、10年経った今、この裁判が未だ続いているなんてあり得ない、自分がここで話をしているのが不思議でならない、と率直な思いを語りました。
25年間教師をしてきた冬爪さんは、陳述の中である新聞の投稿を取り上げました。
投稿者は50年前小学校で福島第一原発を見学したとき、担任の先生から「原発は絶対安全」と聞かされました。福島原発事故後、その先生は「何という間違いを教えたのか」と後悔し、そのときの生徒である60代の投稿者を探し出して謝った、という話です。
冬爪さんは保健体育の授業で「先生、地震で原発事故が起きたら、どしたらいいが」という生徒にちゃんと答えられなかった経験を語り、「私自身、たくさんの過ちを犯してきたかも知れない」と教師としての過去を振り返りました。
冬爪さんは最後に、「50年先、100年先を生きる子どもたちに負の遺産を残しては絶対にいけない」と述べ、志賀原発の即時廃炉と一刻も早い結審を訴えました。
次に北陸電力が9月6日提出の「上申書」に基づいて、適合性審査の状況について報告しました。
それによると、8月2日および9月8日に審査会合に向けたヒアリングがあり、今後敷地近傍の(半径5km以内で、いずれも最近北電が活断層だと認めた)福浦断層・碁盤縞沖断層・兜岩沖断層について審査が行なわれる予定だということです。
原告側弁護団は、敷地近傍の断層の審査も始まっておらず、その他の断層、とくに敷地内断層の審査についてはその予定すら立っていない。これ以上審理を引き延ばすべきではないとして、従来どおり早期結審を求めました。
これに対して裁判長は、昨年7月に示した審理方針を変更する必要性は今のところ認められないとして、次回日程を決定、この日の裁判はわずか21分で終わりました。
口頭弁論終了後、北陸会館5階ホールで報告集会が開催され、原告・サポーター、弁護団、マスコミ関係者など40余人が参加しました。
次回口頭弁論は12月23日(木)、午後3時15分から開かれます。