11月21日(木)午後1時過ぎ、金沢訴訟第29回口頭弁論が行われました。
今回原告意見陳述を行なったのは、石川県平和運動センター共同代表であり、全国一般石川地方本部副委員長の本田良成さん。
本田さんはまず、自分自身が「原発事故が起きても何重もの壁に守られているから、放射能事故は絶対に起こらない」という「神話」に騙(だま)されてきたことを、苦い思いで振り返りました。
そして、あの福島原発事故の直後、地震で倒れた家屋の下敷きになった人々の助けを求める声を聞きながら、放射能から逃げるために「見殺し」にせざると得なかった人たちの慟哭(どうこく)を自らのものとしなくてはならない、と痛切に訴えました。
その上で本田さんは、一旦志賀原発で事故が起れば、何世代にもわたって取り返しのつかない惨事を招くことは明白だとして、即時廃炉にすることを強く求めました。
法廷では、被告北陸電力の代理人が北國新聞の「温情=提灯持ち」記事を引用しながら、適合性審査の進捗状況について説明しました。
しかし、10月25日の審査会合の中継(YouTube)を見れば明らかなように、規制庁からは「分析がおかしい」「普通はこんなデータなら出さない」などの厳しい指摘が相次ぎました。規制委自身が「(志賀は)見込みがない」という判断を隠して、北電に重い宿題を与え続けているという印象が拭えません。
岩淵弁護団長は北陸電力に「適合性審査を申請していない1号機は廃炉を宣言したらどうですか」と勧めましたが、北電はなおも虚勢を張るのみ。一方、裁判所は(異動によって)自ら判決を下すつもりがないにもかかわらず、次回期日(3月5日午後2時~)を指定しました。