6月16日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第19回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
今回は事前に双方の代理人と裁判所による進行協議が行われたため、原告とサポーターは午後2時15分から兼六公園下に集まり、福井や富山、滋賀県などから支援に駆けつけてくれた仲間たちとともに、裁判所まで行進しました。
口頭弁論は205号大法廷で午後2時30分に開廷され、最初に原告の中村照夫さん(石川県平和運動センター事務局長)が意見陳述しました。
中村さんは石川県職員労働組合の活動家として40年間にわたり組合運動に携わってきましたが、原発の問題に初めて目覚めたのは、小林圭二さん(当時京大原子炉実験所)の講演を聴いてからでした。中村さんは「原発事故が起ればその最前線で命がけで業務に当らなければならない自治体職員こそ脱原発の先頭に立たなければならない」と語り、福島事故がなぜ起ったのか、誰が責任を取ったのか、取らなくても済むから再稼働ができるのではないか、と強く訴えました。
続いて原告弁護団の宮本弁護士が第51準備書面「施設直下活断層に関する危険性について-5」の要約陳述を行いました。
4月27日、有識者会合の評価書が原子力規制委員会に提出され、規制委員会はこれを受理しました。原告団としてこの評価書は、本訴訟進行上の最も決定的な証拠だと考えています。宮本さんは評価書の持つ重みを裁判所にきちんと受け止めてほしいという思いで、この日は評価書の結論に絞って主張を展開しました。
評価書によれば、S-1のみならずS-2・S-6断層についても新規制基準が定める「将来活動する可能性のある断層」であることは明らかで、志賀原発ではそれぞれその直上に1号機原子炉建屋と2号機タービン建屋という耐震重要施設が設置されていて、新規制基準違反は明らかであると主張しました。
今回被告からは第21準備書面(S-2・S-6断層についての原告書面への反論)、第22準備書面(裁判所「争点メモ」に対する意見)、および第23準備書面(評価書の位置づけに関するもの)が提出されました。このうち第23準備書面は有識者会合の評価書は「科学的ではない」という驚くべき内容です。彼らはそんなことを思いながら、3年半も有識者会合での説明を続けてきたのでしょうか?
北陸電力は有識者会合で彼らの満足する「結論」が出なかったので、規制委員会で納得できる結論が出るまで、何が何でもこの裁判を長引かせようという腹づもりのようです。
私たちの裁判は終盤に来て、有識者評価書という証拠に基づいて早く結論を出すように求める原告側と、引き延ばしをはかる被告側とのせめぎ合いの様相を呈しています。
口頭弁論終了後、隣の金沢弁護士会館で報告集会が開催され、原告・サポーター、マスコミ関係者など60余人が参加しました。
次回口頭弁論は2016年9月1日(木)、次々回は12月5日(月)いずれも午後2時半から同地裁で開かれる予定です。
左北陸中日新聞(6/17)右朝日新聞(同)
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