3月17日、志賀原発を廃炉に!訴訟の第18回口頭弁論が金沢地方裁判所で行われました。
春の到来を思わせる快晴の空の下、原告とサポーターは続々と兼六公園下に集まり、県外から駆けつけてくれた仲間たちとともに、横断幕を掲げ裁判所まで行進しました。
裁判は午後1時30分に大法廷で開廷され、最初に原告の川原登喜のさん(富山)が意見陳述しました。
川原さんは、国や電力会社・行政が地元住民の不安の声を無視したり、過疎地に原発建設を強行したりすることから原発政策に疑問を持つようになり、志賀原発(能登原発)着工前から反対運動に関わってきました。
川原さんは福島事故後、富山に避難してきた人たちとの関わりや、震災がれき受入れ問題を通して、福島原発事故が富山県民にとっても決して無縁ではないことを悟ります。低線量被爆の問題や食品の放射能汚染の危険性を指摘し、自然環境に恵まれた北陸電力こそ、水力・風力・太陽光などの再生可能エネルギーにシフトしてほしい、と訴えました。
つづいて宮本弁護士が第47準備書面(S-2・S-6断層の危険性)の要約陳述を行いました。
最大の争点である敷地内断層問題では、「足元に活断層が存在する疑いがある1号機は廃炉に」と報道されたS-1断層に比べて、S-2・S-6断層に関する私たちの主張が十分だったとは言えません。
宮本さんはパワーポイントを使って、S-2・S-6も原発に危険性を及ぼしうる断層であることをわかりやすく説明しました。
S-2・S-6断層は2号機タービン建屋の直下を走っていますが、この建屋内には原子炉補機冷却水系配管およびそれを支える構造物が設置されており、「耐震重要施設」に該当します。
宮本さんは、第6回評価会合において4人の有識者が指摘した事項を詳細に分析し、S-2・S-6断層が「将来活動する可能性のある断層等」であることを明らかにしました。この断層がタービン建屋の下にあることは、新規制基準の定める「活断層直上施設禁止ルール」に違反しています。
今回、被告北陸電力は準備書面を出ませんでしたが、裁判所の「争点メモ」に対する「意見書」を提出しました。その中で彼らは、裁判所の審理は規制委の評価書ではなく、最終判断を待って行うべきだ、と述べています。
そんないつ出るか全くわからない判断が出るまで、この裁判を空転させようというのでしょうか?裁判所もそうした判断をずっと待つつもりはない、との考えを進行協議の中で示しました。
閉廷後、お披露目から間もないピカピカの金沢弁護士会館で報告集会が開催されました。
意見交流では、「福井から原発を止める裁判の会」の小野寺さんが、大津地裁の仮処分決定を受けて、高浜3、4号機差止め本訴訟の提訴を保留にした経過を報告しました。
次回口頭弁論は6月16日(木)午後2時半から、次々回は9月1日(木)に同地裁で開かれる予定です。
北陸中日新聞(3/18)左と
朝日新聞(同)下
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