9月14日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、関西電力大飯原発差止訴訟控訴審の第5回口頭弁論が行われました。
法廷では最初に、元小学校教師の松本浩さんが意見陳述しました。松本さんは新任教師として赴任した1962年、学校近くの集落に原発誘致の話が持ち上がったときの出来事について語りました。使用済み核燃料の処理は人間の手に負えないと主張する松本さんに、当時の教頭先生は「今後50年もすれば、人類の英知が必ず解決する」と言って説得しました。
松本さんは「あれから50年経とうとしていますが、人類の英知は使用済み核燃料の問題を解決しましたか?」と厳しく問いかけ、膨大な量の死の灰を子孫に残す国の原発政策を批判しました。
続いて笠原原告弁護団事務局長が第8準備書面「新規制基準の欠陥について」要約陳述。
最後に玄海および川内原発訴訟に携わっている椛島弁護士が、川内原発仮処分判決の問題点について要約陳述しました。
椛島さんは報告集会で、同判決を3.11以降出てきた良心的な判決に水を差す「臆病な判決だ」と述べ、抗告審に向けて、原発事故がいかに壊滅的で不可逆的な被害をもたらし、そこを人が住めない土地にしていくか、そういうことをしっかり訴えていきたい、と決意を語りました。
陳述終了後、証人尋問なども想定する原告側と、早期判決を望む関電側との間で激しい応酬がありました。内藤裁判長は「これ以上反論することはない」と主張した関電に対して、本日の原告の主張に反論するよう求めました。
原告および被告の準備書面、意見陳述書などは「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.htmlをご覧ください。