4月16日午後2時より名古屋高裁金沢支部において、関西電力大飯原発3・4号機差止訴訟控訴審の第3回口頭弁論が行われました。
雨まじりの肌寒い天候にもかかわらず、多くの原告・支援者が詰めかけ、今回も傍聴は抽選になりました。志賀廃炉訴訟の原告・サポーターも数多く支援に駆けつけましたが、昨日の福井地裁仮処分決定に立会った人も多く、「昨年の地裁判決よりさらに踏み込んだ」とか、「とても元気が出た」という声があちこちで聞かれました。
法廷ではまず只野・内山両弁護士が地震動の問題について陳述しました。とくに内山弁護士(写真)は30年来この問題について研究して書籍も出版しており、難しい専門的な内容をパワーポイントを使ってわかりやすく説明しました。
被告関電(他の電力会社も同じですが)の基準地震動の策定には、従来の地震動の平均像に若干プラスアルファするという、3.11福島原発事故前と何ら変わらない方法が用いられています。この方法は誤差が大きく、本当は10倍くらい余裕をとってもらわないといけない。500~800ガルを想定していますが、本当は5000~1万ガル、最大を想定するなら2万ガルでないといけない。そんな揺れに耐えられる施設を作るにはどんなに膨大な費用を要するか、という話です。
この問題では唯一川内原発訴訟で徹底的に議論しましたが、電力会社はそこに議論が踏み込んだら負けるということを思い知り、議論しないようにしようという方針に転換したようです。それがまさにこの日の関西電力の態度です。
今後の進行についての打合せでは、これ以上反論する姿勢を見せない被告関電に対して、原告側の弁護士が入れ替わり立ち替わりその誠意のない態度を批判し、真摯に向き合うよう求めました。中でも海渡弁護士は「私たちが要求していることは、昨日の福井地裁仮処分決定に対して関電が反論しようとしていることと同じ内容です。関電が本訴訟でそれをしないということは、本裁判所をバカにしているということです」と指弾しました。
閉廷後、県教育会館(香林坊)2階会議室で記者会見と報告集会が開かれ、原告、弁護団、支援者、マスコミ関係者ら約80人が参加しました。
原告および被告の準備書面、意見陳述書、報告集会(動画)は「福井から原発を止める裁判の会」ホームページ http://adieunpp.com/judge/kousai.html をご覧ください。
第4回口頭弁論は7月1日午後2時から同高裁で行われる予定です。
朝日新聞 4/16
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