11月5日(水)午後2時30分より名古屋高裁金沢支部において、第1回口頭弁論が行われました。
あの福井地裁の勝訴判決を高裁でもかちとるために、福井からバスで乗り込んだ原告団。これを支援しともにたたかう決意を固めて金沢に集まった、全国各地の原発差止め訴訟原告団、そして弁護団。わが「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」も新調した原告団旗を掲げ、北野団長を先頭に多くの仲間が支援に駆けつけました。
狭い法廷のため、傍聴できたのは30数名。抽選に外れた人たちは開廷中、近くの北陸会館に集まり、弁護団が「開廷」した模擬法廷で盛り上がりました。
法廷では中嶌哲演原告団長による意見陳述のほか、脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士、九州玄海原発訴訟の板井優弁護士らが陳述を行いました。(「福井から原発を止める裁判の会」HP http://adieunpp.com/参照)
中嶌さんは意見陳述を次のように締めくくりました。
「かつて国策として戦争を遂行した軍国主義政権は、広島の惨禍を浴びても敗戦を認めようとせず、長崎後に降伏せざるを得ませんでした。その戦争にも長い加害の前史があったように、フクシマも決して一朝一夕に引き起こされたのではありません。「原子力ムラ」の根本的な責任は厳しく問われなければなりませんが、関東首都圏や関西圏の大電力消費地のために、遠隔の過疎地の福島や若狭に超危険な原発群を押しつけてきた、その差別的な構造そのものを温存したまま再稼働や延命存続を図ることはもはや許されないのではないですか。平常時の1万倍もの放射線被ばくを地元周辺住民に余儀なくさせるまで避難させない防災計画を前提に、再稼働への動きが加速しています。第2のフクシマを待たなければ、被告をはじめ立法府も行政府も廃炉・脱原発を決断できないのでしょうか。国民もまたかつてのように、総懺悔(ざんげ)を繰り返す日まで第2のフクシマの到来を待つのでしょうか。
裁判長!福井地裁の原判決が掲げた司法の良心を引継ぎ、さらに前進させ深めて、どうか事業者や原子力行政、多数派が驕(おご)る立法府の暴走に歯止めをかけてください。…(中略)…この北陸のゆかしい古都金沢で、三たび真に未来世代へ残しうる、貴裁判所の審理と判決を切望します」
弁論終了後の進行協議で、被告関西電力は「次回(2/9)にすべての主張と書証を尽くす。証人尋問は行わない」と表明しました。このことをどうとらえるのか、非常に重要な裁判の分岐点であることは間違いないようです。
閉廷後、北陸会館で報告集会・記者会見が行われ、各地の原告団旗が林立する会場は100名を超える参加者の熱気があふれました。
第2回口頭弁論は2月9日(月)午後2時から同高裁で行われる予定です。
※11/6朝日新聞(上)、同北陸中日新聞(下)
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