原告・サポーターのみなさん
新年あけましておめでとうございます。
なぜめでたいのか。言うまでもなく志賀原発1、2号機はじめ国内すべての原発が停止した中で新年を迎えることができたからです。
今年はこの停止状態を廃炉へ向かわせるか、再稼働の巻き返しに屈するのか、大きな分岐点に直面します。
広範な市民運動の展開、政治の場でのたたかい、そして全国各地で展開される差止訴訟が、相互にその成果を波及させながら原発回帰の流れを断ち切らなければなりません。
志賀原発を廃炉に!訴訟も提訴から1年半が経過しました。この間のみなさまの奮闘に感謝しつつ、さらなるお願いをさせていただかなければなりません。
原告・サポーターの役割は大きく3つに分けられるかと思います。
一つは、まさに訴訟の当事者としての役割です。この間、6回の口頭弁論での意見陳述、そして毎回の傍聴行動などを通じて差止を求める声を裁判所に伝えてきましたが、さらに継続・強化していかなければなりません。
二つ目は、法廷外への運動の拡大です。裁判所は「社会通念」という表現を好みます。3.11で安全神話、低コスト神話、必要神話は崩壊し、脱原発を求める国民世論が社会通念として確立しようとしています。危機感を抱く安倍政権は各地の判決前に再稼働を強行し、既成事実を積み重ねることによって脱原発の「社会通念」化を阻もうとしています。再稼働阻止のたたかい、そしてフクシマを忘れず、被害者と連帯していくたたかいに今まで以上に踏み込んでいかなければなりません。
三つ目は、弁護団の活動を支える役割です。現在、弁護団は36人の弁護士で構成され、それぞれ事故班や地震班、防災班などに分かれ精力的に訴訟に関わっていただいています。この間、私たち原告の主張を全面的に展開してきましたが、昨年末にはようやくS-1断層の調査報告もまとめられ、今後はより争点を絞り込む中で証拠の提出、証人の申請や尋問が行われていくことになります。法廷内で北陸電力の主張を論破し、差止判決へ駒を進めていくことは、早期の再稼働申請を目論む北陸電力に対する大きな圧力ともなります。弁護団の皆さんにはボランティアで訴訟に従事していただいていますが、証拠の作成や証人の尋問に向けた準備など弁護団の活動は今後さらに活発化していきます。私たちは資金面を中心にしっかりと支えていかなければなりません。
原告・サポーターのみなさまには、裁判勝利に向かって、より主体的な決意と行動で訴訟を担っていただきますようお願い申しあげ、新年にあたってのごあいさつとさせていただきます。
北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長)
新年あけましておめでとうございます。
人はそれぞれが二つとない在り方で存在しています。また、誰にも未来はわかりません。そして、次の瞬間何が起こるかもわかりません。だから、希望を捨て、投げやりになることもありません。今、安倍政権という巨大な権力が猛威を振るっています。しかし、この権力もいつまでも続くとは思えません。
私たちが求める脱原発社会は、未来社会からの要請です。10万年も毒性が消えない高レベル放射能廃棄物の排出を続けるのは、無責任であり、倫理的にも許されません。コスト的にも見合わないこともはっきりしてきました。
私たちは希望を失わず、「脱原発社会・日本」を目指して今年も力強く、したたかに進んでいきましょう。
細野祐治(「志賀原発を廃炉に!訴訟」事務局長)
志賀原発裁判を県民運動へ
みなさま、いかが新しい年を迎えられたでしょうか。私は福島県田村市(旧緊急時避難準備区域)から金沢市へ避難し、早くも3回目の正月になりました。お正月と言えば年賀状。でも未だに年賀状をしたためる気持ちにはなれません。かといって友人には近況を知らせたいし、「脱原発」を共にしてほしいと訴えたい。そこで年賀状代わりに年末挨拶状を出すようになり、今回で3年目になりました。全原発廃炉実現まで続けます。
フクシマは終わってはいません。いやむしろ、今も内部被曝・汚染水漏れ・除染の問題・遮二無二な帰還促進・子どもらの被曝・重苦しく本音の言えぬ雰囲気などなど、厳しさが深く静かに横たわっています。フクシマを再び起こしてはなりません。志賀原発でフクシマと同じことが起こり、「シカ」となったら?身の毛がよだちます。輪島・珠洲の方々は何処へ逃げますか。北西の強風が吹き荒れる猛吹雪の中、金沢・北陸の人は何処へ逃げられますか。当然香箱ガニは食べられませんし、兼六園も「死の庭園」になりかねません。
仮に世界最高水準の安全な原発を実現できたとしても、事故が起こったら?いうまでもないことです。昨年の参議院選で福島の候補者(避難者)が「今は福島のこと、次はあなたの町のこと」と訴えていました。フクシマは遠い所のこと、過ぎ去ったことではありません。志賀原発廃炉を石川県民運動、北陸ブロック運動へ高め広めていきましょう。それには裁判のサポーターをまず増やしましょう。
浅田正文(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団副団長)