志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ

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廃炉訴訟―第3回口頭弁論

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3月4日、志賀原発の廃炉を求める訴訟の第3回口頭弁論が金沢地方裁判所で開かれました。
この日は最初に、福島から金沢へ避難してきて先ごろ原告団に加わった浅田真理子さんと宮田秀晴さんが意見陳述しました。あいさつする北野原告団長

浅田さんは1995年に東京から福島県に移住し、阿武隈山系の山里で暮しはじめました。自然農法で野菜や米、雑穀を作り、シイタケやナメコを育てました。四季折々に山の恵みをいただき、冬は薪づくりをするという、自然の営みに合わせた生活を楽しんでいました。
そんな生活が原発事故のために、突然断ち切られてしまいました。放射能で大地が、緑が、空気が汚され、「後ろを振り返ることも、前を見ることもできない真っ暗なトンネルの中に放り込まれたような」日々を送ることになりました。
浅田さんは「福島を返してください。続くはずだった生活を返してください」というのが私たちの本音だけれど、それはもうとりかえしがつかないと語り、「どうか福島の声を聞いてください。二度と私たちのような被害者をつくらないでください」と訴えました。
宮田さんは間もなく2年を迎える被災地の状況を語りました。家や家族などすべてを失い、耐えがたいほどの試練を味わいながら、笑顔を失わずにたくましく生きている被災者の姿。他方、不信・不平不満や恨みが積もって人びとを苛立たせ、政治的駆け引きや醜い欲望が渦巻いて人びとの心の健康が損なわれている現実。その原因は原発事故であり、「生かじりの知識と未熟な技術」を利用し、後先も考えないで営利に走った結果だと喝破しました。
そして、原発の運転は地球という生命体への背信行為であり、「被害を受けた福島県民こそ、みなの先頭に立ってその愚かさを深く反省し、新たに進むべき道を世界に示す重大な使命が与えられている」と述べました。

続いて弁護団が準備書面の要約陳述を行いました。
東弁護士は最初に第6準備書面「志賀原発の不要性」について陳述しました。北陸電力は「原発がなければ電力が足りない」と宣伝してきましたが、昨年夏、北陸電力管内の最大電力需要日であった8月22日の需要量に対する予備率は9.4%もあり、志賀原発を運転していなくても十分な余裕がありました。また経済性の観点からも、政府の試算では、放射性廃棄物の処理費用や、事故が起きた場合の事故処理・除染・賠償などの費用が全く計上されていません。それらを正当に評価すれば、原発が経済的なエネルギーだとは全く言えないことを明らかにしました。
続いて第7準備書面「放射性廃棄物処理の問題」について述べました。原発を運転すればきわめて毒性の強い放射性廃棄物が排出されますが、その安全確実な処理方法は確立されておらず、後世に押しつける「負の遺産」となっています。東さんは、原発の稼働は非常に危険な物質を最終的な出口もないまま、年々大量に生み出し続けるきわめて危険な行為であることを、具体的な数字を挙げて明らかにしました。
最後に川本弁護士が第5準備書面「震源を特定せず策定する地震動の不合理性」について陳述しました。原発の直下にどのくらいの規模の地震が起こることを想定しなければならないのか。これについて被告はマグニチュード(M)6.8を主張し、その地震動に耐えられる施設であれば安全だとしています。しかし、地表に活断層が明確に現れていない地域で今までに起きた地震の最大のものはM7.3であり、少なくとも同規模のエネルギーを想定する必要があります。川本さんは、被告の想定は不合理であり志賀原発の安全性は成り立たないことを、さまざまな資料を示しながら指摘しました。

原告の主張に対して被告の側は、裁判長から「やりやすいところから反論されたらいかがですか?」と水を向けられたものの、反論する気配がありません。徹底的に引き延ばして情勢の変化を待つ、という戦術なのかも知れません。

がんばろう!!

終了後、兼六園下の北陸会館5Fホールで報告集会が開かれ、原告団・弁護団、サポーター、報道関係者など約60名が参加しました。

第4回口頭弁論は5月27日(月)午後1時半から、同地裁で開かれる予定です。

 

 

北陸中日新聞 3/5朝日新聞 3/5

 

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