10月3日、志賀原発の運転差止め・廃炉を求める裁判の第1回口頭弁論が金沢地裁で開かれました。裁判に臨んで原告・弁護団は大手町白鳥路広場に集まり、多くのサポーターとともに、横断幕を掲げて裁判所まで行進しました(写真左)。
この日は午後1時20分に開廷され、最初に原告の代表二人が「なぜ提訴したのか」という思いを述べました。原告団長の北野進さん(珠洲市議)は、29年間にわたって関わってきた珠洲原発反対闘争のことから話し始めました。電力会社と国、石川県、珠洲市が一体となって原発誘致によるバラ色の地域振興を語り、他方で原発の安全神話がばら撒かれたこと、そしてその安全神話が昨年3月11日福島第一原発事故であっけなく打ち砕かれ、かつて推進派であった人から「あんたらの言うた通りになったなあ、珠洲に原発がなくてよかった」と言われたことを明らかにしました。北野さんは「福島第一原発事故からありとあらゆる教訓を学び、福島の悲劇を二度と繰り返さない取り組みを広げていくことが、珠洲原発の闘いに関わった者の責任だと思っています」と廃炉に向けた決意を表明しました。
続いて原告の道永麻由美さん(富山市在住)が意見陳述を行いました。道永さんは、福島原発事故は「原子力安全神話」におぼれ、地震や津波などの災害対策や周辺住民の防災対策を怠っていた国や電力会社による、許しがたい「人災」であることを指摘しました。また原発の元配管技師の言葉を引用して、「原発は働く人を被曝させなければ動かないもの」であり、「そんな人々の犠牲の上に作り出される電気を享受したくありません」と意思表示しました。そして「北陸電力は今日まで約1年半、原発に依存することなく電気を供給しています。志賀原発を廃炉にできない理由はどこにもないはずです」と訴えました。
次に、弁護団がパワーポイントを駆使して訴状の要約陳述を行い、続いて「請求原因の補充」(訴状の補足)を行いました。その中で、①志賀原発の直下に活断層(S1~S8)が存在することが保安院の専門家会議などで指摘され、各断層が連動して動く可能性があること、②揺れだけでなく、断層面がずれることによって建物および構築物が破壊され、過酷事故が起きる危険性があること、③活断層の上に原発重要施設を設置することは安全審査において想定されておらず、禁止されるべきこと、などを訴えて、直ちに運転を差止めなければならないと主張しました。
終了後、兼六園下の北陸会館5Fホールで報告集会が開催され、原告・弁護団・サポーター、報道関係者など約120名が参加しました(写真右)。
第2回口頭弁論は12月14日(金)に開かれます。
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